崖っぷちホテル！ (ページ42)

今日:6 hit、昨日:16 hit、合計:119,530 hit

episode 2-21 ページ42

-翌日-(next day)

佐那「皆様、笑顔でお帰りになられました。」

長吉「つっかれたぁ…。
昨日の俺のお客様の小山内裕子さん。
夜10時までベットメイク講座やで…。」

尚美「すっごいねえ、あの小山内さん。
チェックアウトした後、私が掃除入ったんだけど、自分でベットメイクして帰って行って！
もうすんごい綺麗だったもん。」

時貞「…で、総支配人。
どうだったんですか、勝負の結果。
不正は困りますからね、みんなの前で発表して、理由もお願いします。」

佐那「はい…。」

みんなの視線が佐那に集まる。

桜井「私なりに考えました。今回の企画で、私が勝ちだと判断したのは…

江口さんです。」

ハル「『やったぁ！！！！！』」

Aとハルはハイタッチして喜んだ。

時貞「ちょっと！理由は！？」

時貞は納得がいかないようにそう言った。

佐那「大村様に喜んでいただけたからです。」

時貞「それだったら富田様だって…！」

佐那「はい…。しかし、富田様は帰り際ずっと裕司くんの料理のことを仰っていました。」

佐那は穏やかな笑顔で思い出しながら言った。

時貞「そんなの結果論でしょう！？」

佐那「確かに結果論かもしれません。でも私、宇海さんが来てから思ったんです。
お客様に喜んでいただくためには欠けてはならないことがあると。
それは"考える"ことです。」

時貞「はぁ！？」

佐那「私はずっと願ってました。
このホテルが夢の場所になればと。
それは一体どんなホテルなのか、今回のことで考え、こう思ったんです。
このホテルをお客様の思い出の場所にしたい、と。

だから今回はらお客様の思いを考えてくださった江口さんを選ばせていただきました。

小山内様にも、満面の笑みでお帰りいただけました。長吉さん、ありがとうございました。」

長吉「まぁそりゃあ…」

『じゃあ江口さんは…？』

宇海「そうですね！約束通り！」

ハル「やりましたねぇ！江口さん！いいんです、堂々と総料理長に戻ってくださいっ！」

『そうですよ！』

2人がそういうも江口は無表情のまま。

江口「いや…俺は総料理長には戻りません。」

『え…？』

ハル「えっ！？！？」

江口「このままでいいです。」

江口はそういうと事務室から出て行ってしまった。

ハル「えっちょっ、江口さあん！」

ハルとAが江口の後ろ姿を追う。

そんな江口を見て宇海はなにか考えているようだった。

.