崖っぷちホテル！ (ページ29)

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episode 2-08 ページ29

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佐那「江口さんの企画に申し込まれたのは大村様。
こちらは、お父様と息子さんのお二人で、308号室にお泊まりいただきます。
今回息子さんの思い出にと、申し込まれたそうです。」

江口・ハル「「はい。」」

時貞「だけど、これ始まる前から結果出てるんじゃないですか？」

半笑いでそういう時貞。

佐那「え？」

時貞「スイート、一部屋埋まるだけで全然単価違いますから。」

『そんなのわかんないじゃないですか…。』

頬を膨らませてボソッとそういうA。

宇海「いえ、大切なことはお客様に喜んでいただけたかどうかですから。」

時貞「負ける気がしませんけどね。」

『竜二くんだって負けないのに…。』

またAは頬を膨らまして呟く。

ここで働いてからは"江口さん"と呼んでいたのに、"竜二くん"と呼ばれ、江口は驚きのあまりAの方を向いた。

が、Aはそんな江口の視線には気付かず、挙句、自分が"竜二くん"と呼んだことにも気づいておらずただ頬を膨らませているだけだった。

すると、ハルがAの呟きを聞いて時貞の目の前に行き口を開いた。

ハル「江口さんだって負けません！」

時貞「なんでお前が出てくるんだよ！」

ハル「いやぁ…口下手だから。江口さん。
それに！Aさんだって江口さんは負けないって言ってましたから！！
絶対負けませんよね江口さん！？」

江口「おう、おっけー、わかったわかった。」

興奮しているハルを宥めるようにそういう江口。

佐那「勝負とは言えど、協力なしには、ホテルは成立しません。皆さん、それを忘れずにお願いします。」

時貞「そんなことはわかってますよ。もういいですか？色々と準備がありますから、そろそろ。」

手帳をポケットに入れ始める時貞を、長吉が"ちょっと待ってください"と引き止める。

長吉「…俺のお客さんは…？」

佐那「あっ…！すみません。
小山内裕子様。
将来はホテルで働きたいので、プロのベットメイクを見たいとのことでした。」

長吉「ありがとうございます。頑張ります。見せたります！」

嬉しそうにそういう長吉。

宇海「本日はこの3組のお客様のみの宿泊です。では皆さんがんばりましょう！」

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