王と皇帝は相容れない筈だったpart3 (ページ42)

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雷門中へページ42

ヒロインside
『野坂、この後空いてるか？』
「ああ、大丈夫だよ。」
『それなら雷門に行かないか？』
「偵察かな？」
『いや、遥が一週間分の着替えを家に忘れたらしいから持ってきて、と。』
「それ、蓮が行く必要ある？全く、すぐ蓮に甘えて…。」
プスプスと怒っているがこいつも大概甘えん坊な気がする

「まぁ、いいよ。僕も雷門の偵察に行きたかったし。」
『そうか！それなら良かった！』

そして雷門に来た

「これが雷門か。」
『あれ、来た事なかったか？』
「学校の方にはね。」

『おや、杏奈さんだ。』
「…そうだね。」

「あ！おねーちゃーん！」
遥が遠くから手を振っている

遥が走ってきて
「着替え持って来た！？」
『全く、これっきりだからな。』
「ごめんごめん。」

「あれ、野坂君に蓮さん？どうして雷門に？」
「あ、まずいとこ見られちゃったかな。」
『だな。杏奈さんはジャージ姿でも可愛いな。』
「ちょっ、蓮さん！外でそういう事言うのやめてくださいってば！」
『ふふ、ごめん。』

「………。」

「そ、それより、お二人はどうして雷門に？偵察ですか？」
『まぁ、それもあるかな。あと、遥の着替えを持ってくるついでに。』
「あ、あの子はまた…。蓮さんに迷惑かけて！」
『杏奈さん、お母さんみたいだな。』
「あ、あんな子供いりません！」

「………。」

『野坂？さっきから黙っているがどうかした？』
「…別に。」
ムスッとしてるのに別にはないだろ…

「そういえば野坂君、体の方はもう大丈夫？」
「ちょっと眩暈がしただけで病人扱いされちゃあかなわないな。」
『杏奈さんが心配することじゃないよ。大丈夫。私が付いてるからな！』

「…お姉ちゃん？」

遥は不思議そうに私を見る

「お前、王帝月ノ宮の野坂悠馬だな！」
そこには剛陣が立っていた

「偵察のつもりか？こちとらのうのうと敵に手の内を見せるほど優しくはないんだよな。特に！アレスのなんとかっていう胡散臭いサッカーをやってるやつにな！」
野坂の目が細められた

私は野坂の前に立って
『おい、剛陣。それ以上野坂を罵倒するな。何も知らん奴が口出ししないでもらおうか。』
「ああ？んだと！」
「止めろ！剛陣！」
雷門のキャプテンの道成が私と剛陣の間に割り込む

「君には僕達のサッカーは到底理解できないよ。僕達は単純にサッカーをやっているわけじゃない。サッカーは僕達の崇高なる目的の手段に過ぎない。」

淡々と野坂は言った

続く