王と皇帝は相容れない筈だったpart3 (ページ35)

今日:10 hit、昨日:6 hit、合計:29,037 hit

雷門の秘策ページ35

ヒロインside

私はここから見せてくれるだろう雷門の秘策に胸を高鳴らせていた
「先輩、嬉しそうですね。」
『あ、顔に出てたか？』
「はい。すごく楽しそうな顔していましたよ。」
そう言って野坂の指は私の頬を這う

『野坂、くすぐったいから止めてくれ。』
「…、僕は先輩が狼狽える顔が見れなくて残念です。」
『ああ、慣れてしまったからな。残念だったな。』
私はさぞかし勝ち誇った顔をしているだろう

「へぇ…。」
野坂の低い声が鼓膜に響いた

『まあまあ、今は試合を見よう。』
「そうですね。先輩をいじめるのはまた今度にします。」
いじめるとはいったい…

稲森の鼓舞で雷門の勢いが増した気がした

そして怒涛の勢いで上がっていき

新必殺技メテオドロップを撃った

ゴールホストの上に行き
外したかと思いきや
軌道を大きく変え
天野の意表を突く形でゴールした

「は…？」
『へぇええ…！すっごいな！…西蔭は止められるか？』
「そ、そんなシュートくらい止められますよ。」
西蔭は歯切れ悪く言う

おや？有人さんはようやく気付いたらしい
雷門の動きに

しかし稲森のスタミナには驚きを隠せない
いったいどのくらい動いたんだ

「まだ雷門が打つ手を残していたとは。何故、最初から使わなかったのでしょう。」
「雷門の技はまだ覚えたてだ。一度目は意表を突いて得点できるが鬼道ならすぐ粗削りな技の突破口を見つけるだろう。超金雲はそれを分かっていて必殺技を最後の一手にしたんだ。」
「未完成の技も使いようというわけですか。」
「雷門の監督は実に抜け目がないようだ。」
『…雷門の新技がこれだけとは思えないな。』
きっとまだ何か見せてくれる
私は少しわくわくしていた

稲森は新必殺技シャイニングバードを撃った

有人さんと灰崎が二人がかりで止めようとするが止まらず
天野のもじゃキャッチでも止まらずゴールした

5対4で雷門が逆転した

そして灰崎の雰囲気が少し変わった
チームに力を貸せと懇願したのだ

星章はそこで初めてチームの思いが一つになったような気がした

そこからは
まさに接戦
どちらも引かない姿勢に私は見入ってしまった

しかし残酷なことに時間は過ぎ去っていく

タイムアップで雷門の勝ちだ

凄くいい試合だった
それしか言えない

私は感動の余韻に浸っていた

あとがき
最後の半ちゃんの
「よしゃよしゃよしゃ。」
って一人ガッツポーズしてんのめっっっっっちゃ可愛かった！