王と皇帝は相容れない筈だったpart3 (ページ20)

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帝国の情報収集へページ20

ヒロインside

私は次の日
社長に呼ばれ本社ビルへ来ていた

正直、私はあの人を好きになれない
人を何だと思っているのか

「今日は君に頼みたい事がある。」

「帝国の元総帥、影山零治を知っているか。」
『はい。帝国サッカー部の監督でもあり、総帥でもあった影山は去年違反行為をして捕まった、と聞いていますが。あ、確か、また帝国に戻って来たんですよね？』
「ああ。それで、影山の所にこのシューズを運んでくれないか。」
ガラガラと秘書が台車を押してきた

台車の上に乗っていたのは箱
そして箱の中には沢山のシューズ

『これは？』
「我が社で開発した物だ。影山が使いたいと言っていたから用意した。車を入り口に待たせてある。」

『了解しました。』

私は台車を押し、エレベーターに乗る

トラックに乗せて

私も乗る

その間に野坂に連絡する

『今日は社長に頼まれて帝国学園に行ってくる。あと、帝国サッカー部の情報収集もしてくる。楽しみにしていてくれ。』

送信

ガタガタ揺れるトラックの中一時間
トラックが止まった

私は台車を押しトラックから出る

『ここが、帝国学園か。』

随分物々しいな

私は受付に事情を話し、中に入る

「来たか。」

『貴方が影山総帥ですか。』

「ああ。君は？」
『私は先日、王帝月ノ宮サッカー部のマネージャーに就任した柊蓮です。社長に頼まれ、例の物をお持ちしました。』
「では、此方に運んでくれ。」
『了解です。』

ガラガラと台車の音が響く

『あの、影山総帥。』
「なんだ。」
『サッカー部の練習風景を見ても宜しいですか。』
「………。」
『シューズの運搬は社長に頼まれましたが、私は帝国学園の偵察もしに来ました。』
この人に嘘やごまかしは通用しない
私は正直に言った

「王帝月ノ宮が帝国に負けると？」
『いえ。それはないです。ただ、もし私達王帝月ノ宮に無いものがそちらにあるのなら上手く吸収しようという私の独断です。』
「随分サッカー部が大事なんだな。」
『大事というより、彼等の成長が見たいのです。きっと彼等はもっと強くなります。だから、お願いします。』
私は頭を下げた

「いいだろう。好きなだけ見ていくがいい。」

『ありがとうございます。ご厚意に感謝します。』

私は総帥の部屋に台車を置き
サッカーフィールドの観客席に来た

続く

『あ、此方請求書になります。』
「…………。」