王と皇帝は相容れない筈だったpart3 (ページ17)

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ヒロインの新たな使命ページ17

ヒロインside

『この扉の奥に御堂院が。』
私は扉を開けた

『失礼します。』

「待っていたよ。柊蓮。」
『随分なおもてなしでしたね。私じゃなきゃどうなっていたか。』

「東雲直哉の娘だからな、少し試させて貰った。それで、ゆっくり世間話でもしに来たのかな？」
『とぼけるな！』
私は持っていた剣を御堂院の横スレスレに投げた
壁に突き刺さる剣

「社長になんという事を！」
「まあ、待ちなさい。」

『お前が野坂に流したのだろう!?私の情報を！』
「何故、お前はそこまで怒る？ああ、もしかして。」
お前は野坂が好きなのか、と言った瞬間
御堂院の首に剣先が

『黙れ。お前如きが私の感情を語るな。』

「ふふ。野坂に知られたのがそんなにショックだったか？自分の汚い所を見られ憤慨(ふんがい)する様はお前の母ソックリだ。」

『黙れ。』

「ああ、それとも野坂の悲痛な顔を見るのが嫌だったか？」

『黙れ。』

「やはり好きな人には綺麗なままで接したかったんだよな？」

『黙れぇぇぇ!!』

私は剣を御堂院に向けて振り上げる

「蓮先輩！」

ピタッと御堂院の頭上で止まった

振り向けば野坂が立っていた

『野坂…。』
「先輩、帰りましょう。…社長も、もう遅い時間ですので。」

「ふんっ。そうだな。」
「帰る時はエレベーターを使え。」

私と野坂はビルを出た

『何故、私が社長のとこにいると分かった。』
「蓮の事なら分かるよ。」

『…そうか。』
本当はそれだけではないのだろうが
私は聞くのを躊躇った

「明日から蓮はマネージャーだけど、試合時の指示も一任するって社長が言ってたよ。あと、必要であれば練習メニューの見直しも。」

『はあ？私、サッカーは素人だぞ？いいのか野坂。』
「君の観察眼なら素人でも関係ないよ。まあ、帰ったらミーティングでもしようか。」
『こんな時間に？』
「こんな時間に。」
『お前と二人で？』
「蓮がお望みなら僕の部屋で二人きりでもいいよ。」
『…いや、ミーティングルームでお願いします。あと、西蔭も。』
「僕は君と二人きりが良かったんだけどな。」
『野坂。お前、容赦なくなってきたな。』

「君が意識してくれるならアプローチの仕方も大胆にしようかな。」
『い、いや、いいよ。そんな無理すんな。』
「ふふ、無理なんてしてないのに。可愛いなぁ。」

私と野坂は満天の星空の下、寄宿舎へ帰った

あとがき

おこめは可愛い女の子と
綺麗なお姉さんと
可愛い男の子が大好きです。