第陸の怪異 隠す刃は誰の為？ ページ8
つかさは私の考えを知ってか知らずかふよふよ浮遊しながら笑ってる
『…私には関係ありませんから。』
つかさの視線から逃げるように視線を逸らす
「ふーん…。」
つかさは私の周りをくるくる回って様子を伺う
「ま、いーか！俺は俺でやることがあるし！」
『あ、待って下さい、つかさ。』
「ん？なあに？」
『最近、校内がざわついている感じがします。…何か良からぬ事を考えてはいないですか？』
「あはっ！Aは鋭いなぁ！それも君特有の勘かな？」
『………。』
「こわぁい！…ね、すごい顔だよ？安心して、君の大切な人達には手を出さないであげる。…今はね。」
つかさはスッ、と消えた
『…忘れ物、取りに行かなきゃ。』
つかさsaid
あぁ！面白い！面白いなぁ！
あの子は大切な人が巻き込まれる事を極端に嫌う
もっといじめたら本性を出したのかな
本性を出したらどうなるんだろ
殺されるのかな？
外の怪異達のように
「っ！！」
そう考えるだけでゾクゾクした
「早く、早く見せてよA。君の中に燻っている火種を。君の中の化け物を。」
早く死んで俺の物にしたかったけど今は違う
君の殺意が見たくて堪らない
「鬼さん此方、手の鳴る方へ」
「…お嬢。あいつ、いつにも増して気持ち悪いですね。一人で笑ってますよ…。」
「…今の玩具を壊したくて仕方ないのよ。悪趣味よね。」
「(これ以上、壊れてほしくないのだけど…。)」
ヒロインsaid
『…あった。』
私は机から宿題を取り出す
帰る途中に気付いて良かった
まあ、つかさに絡まれたのは嫌だったけど
−怪異殺しの正体、知りたいなぁ−
『……、知られるわけにはいかない。私は、彼岸の者でも此岸の者でもない半端者。』
『私は、産まれた時から壊れてる。』
真っ赤な夕日を背に私の目は赤く、蝋燭の灯火のように揺らめいていた
「A。忘れ物はあったかい？」
『っ！て、輝！なんで此方に？』
「僕の用が終わったから迎えに来た。」
『…ありがとうございます。忘れ物もありましたし、帰りましょうか。』
窓ガラスに映った私の瞳はいつもの茶色に戻っていた
どうかまだ
私に夢を見させて下さい、ご先祖様
(この想いが)
報われなくて良い
(この宿命から)
救われなくて良い
(私の)
幸福なんて要らない
まだ私を人間でいさせて下さい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めだかの箱庭 - とても面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年5月26日 22時) (
レス) id: 22e06c1135 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - ルルさん» わあい！初コメだ！ありがとうございます！ (2020年3月19日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白いです！更新頑張ってください！！ (2020年3月18日 19時) (レス) id: 8704b5e388 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おこめ | 作成日時：2020年3月17日 12時
