第拾伍の怪異 未熟者の見栄2 ページ17
光の先程の勇ましい顔はどこへ行ったのか倒れた花子君そっちのけで八尋さんと対面し
八尋さんは花子君を庇うように立ち塞がる
『(あ、そういう事ですか。)』
光の春の訪れを察した私は我が子を見守るかのように光を見る
そうですよね
もう中学生ですものね
むしろ普通の子より少し遅いくらいで
うんうんと頷き自分の思考の世界にトリップしかけていた時
「花子くんは悪い怪異じゃないよ！私のことだって助けてくれたんだから！」
『っ！』
違う
怪異はそんな、善意を人に向けるような存在じゃない
もっと理不尽で自分本意な…
私は八尋さんの言葉に嫌悪感を抱いた
私の気持ちを代弁するかのように光も声を張り上げる
「それは違ッ…います！！」
「あいつはタダの怪異なんかじゃない…。"トイレの花子さん"はオレのばーちゃんがやっとの思いで封印した超超凶悪な悪霊なんです！」
「しかもあいつは包丁を武器として使ってる。生前それを凶器として使った証拠です。あいつはあの包丁で誰かの命を奪ったんだ！」
八尋さんは顔を青くさせ
「そんな、うそ…。」
「先輩は騙されてるんです！あんな奴信用したら駄目だ！！」
きっと先輩のことだって、と言う光の首に鈍く銀色に光るソレが突きつけられた
『光…！』
「ちぇ…。バラされちった。」
「あーあー。もうしばらくはヒミツにしとこうと思ってたんだけどなァ…。」
「来い白杖代。」
「君の言う通り確かに俺は人を殺した。でもカミサマが言ったんだ。この役目を全う出来れば俺の罪は消えるんだって。」
花子君はいつもの学ランに長い外套が付き
そして所持する霊力が倍増した
「だから祓われるワケにはいかない。悪いね。」
「ワケのわかんねぇこと言いやがって…。」
『駄目！光！』
光が花子君に向かって行く前に私は駆け出した
続く
あとがき
どうしよう…まだ1巻だ…
やっぱり巻かないとだめかなぁ…
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めだかの箱庭 - とても面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年5月26日 22時) (
レス) id: 22e06c1135 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - ルルさん» わあい！初コメだ！ありがとうございます！ (2020年3月19日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白いです！更新頑張ってください！！ (2020年3月18日 19時) (レス) id: 8704b5e388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おこめ | 作成日時：2020年3月17日 12時
