基山タツヤのお姫様 ページ35
タツヤside
俺の初恋は浜辺で見つけた傷だらけのお姫様だった
目の前で母親の死を目の当たりにし
入院して、退院した後は見知らぬ場所に住まなきゃいけない
凄く可哀想な子だなと思った
心も傷だらけだが、体も傷だらけだった
瞳子姉さんが言うには
殴られたような跡があったらしい
虐待されていたにしては
母親を慕っていた様子に不審を抱いた
母親は自分が付けた傷と認知しなかったらしい
だから彼女はその傷の正体を母親に知られたくなくて黙っていた、と瞳子姉さんが推測だけどね、と付け足した
きっとちゃんと愛されていたんだろう
虐待をされている時以外は
だから慕っていた
なのに目の前で死んでいた
お日さま園に来た時
目は死んでいたし、ご飯も食べてくれなかった
晴矢やリュウジは遊びに誘っていたが
頷くことはなかった
俺は彼女に必要なのは時間だと思った
彼女がまだ母親の死に立ち直っていないから外にも出たがらないし、ご飯も食べない
俺は少し時間を置こうと晴矢とリュウジに言った
彼女に母親の死を受け入れる時間を与えたかった
しかし
その日の夜
喉が渇いたから水を飲もうとキッチンに行こうとしたら
いつもの場所に蓮ちゃんはいた
窓から月を眺め
泣いていた
『ごめんなさいママ。蓮だけ生きてごめんなさい。』
まるで天国にいる親に懺悔するように泣いていた
その姿はどこか浮き世離れした美しさがあり
消えてしまいそうな危うさがあった
彼女は一人じゃ立ち直れない
誰かが引っ張ってあげないと消えてしまう
俺は彼女に何が出来るだろう
次の日
俺はいつも皆でやるサッカーを途中で切り上げ彼女の元に行った
そしてその日起こった事を話した
最初は何も反応しなかったが
段々表情に出すようになり
遂に笑った
彼女の笑顔は満開の桜のような美しさがあり
それを引き出したのが俺だという事実に満たされた
その日から彼女はきちんと食事を取るようになった
彼女が自分から外に出るまで俺は彼女の元に通った
そして
彼女が自分から外に出た時
俺は
彼女はお姫様。綺麗で純粋で汚れない真っ白なお姫様。
俺のお姫様だ、と
だから俺は彼女がお日さま園を出るとき白いリボンをあげた
どうか、いつまでも、真っ白な君でいて、という意味を込めて
俺は彼女を迎えにいく
彼女はお姫様。俺(王子)を待つお姫様。
俺(王子)が蓮(姫)を迎えに行く
彼女は俺を待ってくれている
俺はこの感情を恋と信じて疑わなかった
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おこめ(プロフ) - 恭弥君尊きさん» 分かります。野坂悠馬は尊い。おこめはOPで野坂がでる度手を合わせ拝んでます。ありがたやありがたや…。 (2018年12月2日 20時) (
レス) id: bdc7861eff (このIDを非表示/違反報告)
恭弥君尊き - 初コメ失礼します！この小説、もっっっっっのすごく良いですね！最っ高です！野坂君尊き。発狂しました。親いなくて良かった。切実に これからも更新頑張って下さい！←(できる範囲で) (2018年12月1日 14時) (レス) id: 7d77e3de06 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 闇雲夜月さん» ふわぁ！初コメやで！ありがとうございます！社会人の私としては小説を書く事がいいストレス発散になるんでどんどん書いていきますよ！いいっすよね、野坂と佐久間。おこめは美少年大好きですから。 (2018年10月25日 9時) (レス) id: bdc7861eff (このIDを非表示/違反報告)
闇雲夜月(プロフ) - 面白いです！これからも投稿頑張ってください！ちなみに私も野坂や佐久間推しなので仲良くしてほしいです(*^^)v (2018年10月24日 21時) (レス) id: d5dd056e77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おこめ | 作成日時：2018年10月22日 20時
