Episode2 イリーナ・ギリカナン ページ6
「貴方のような凡人がベルナルドに近づかないでくれるかしら。」
『…………。』
まさか、ベルナルドに呼び出された先で母親のイリーナ様と鉢合わせになるとは
「聞いているの！？」
『は、申し訳ありません。ですが、ベルナルドの呼び出しを無視など…。』
「な、ベルナルドのせいだと言うの！？」
『申し訳ありません。ですが、事実ですので。』
パシン
遅れて左頬に熱が集まり、痛みが走る
口の中に血の味が広がった
私は、ギリカナン家の屋敷を出た
その時
「A！」
ベルナルドが走って追いかけてきた
『ベルナルド。』
「ごめん、私のせいだ。先日、ブラジルに行く所をあの人に見られていたようだ。本当にすまない。」
『ベルナルド。』
『大丈夫ですか？』
私はベルナルドの頬を撫でた
「…！、君は！なんで、なんで、私を…！」
『ベルナルドだって、打たれたでしょう？』
「君は女の子だ！私は、慣れてるから…！」
『慣れ、てる…？』
「っ、」
『……………そうですか。』
私はベルナルドに背を向け門を出た
「A！」
私はベルナルドに振り向く
「…また、会えるかい？」
私は何かを言おうとして口を閉じる
精一杯の笑顔で
『…はい。また、会えると良いですね。』
私は今度こそ歩きだした
ずんずんと大股で歩く
自分の不甲斐なさを理解したからだ
昔からベルナルドが頭がよく、要領も良いのは天才だから
そう思っていた
けど、違った
彼は出来なきゃいけなかったんだ
『くそ、くそ…！何が天才、何が勝てない相手よ！彼はずっとずっと一人で苦しんで来たんじゃない！』
幼なじみなのに
ずっと見てきたのに
気づきもしなかった自分に腹が立つ！
私は彼の為に一体、何が出来る？
「おや？君は…」
そんな私の目の前に現れたのは…
それから幾年か過ぎた
あれからベルナルドには一度も会っていない
私は、たまにテレビでベルナルドを見るが
昔とは別人だった
あのような冷たい笑みを浮かべる人ではなかった
私は、最近会う件(くだん)の人に伝えた
作戦を決行します、と
私は新品のスーツを来て髪を纏め上げ
家を出た
さあ、此処からが勝負だ
私は、負ける訳にはいかない
Episode3 狂的なまでの守護欲→←Episode1 まだ人の心が生きていた頃の話
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おこめ(プロフ) - 通りすがりの夢女子さん» 正直何番煎じかなって不安だったんですけど楽しんでもらえて何よりです！温かなコメントありがとうございます！ (2019年9月6日 18時) (
レス) id: 9ca12ec2fc (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの夢女子 - シリアスなお話、私も好きなのでいつも楽しく拝見させて頂いております。更新、大変かと思いますが、お体に気をつけて頑張ってください。応援しております。 (2019年9月6日 0時) (レス) id: 95d7b0ca4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おこめ | 作成日時：2019年8月24日 21時
