Episode7 苛烈で哀しい決意 ページ13
『おはようございますベルナルド様。』
「あぁ。おはよう。」
「君、新条と仲いいのか？」
『！』
「昨夜、君と新条が歩いている所を見た。」
『まあ、仲はいい方かと。なにせ』
８年前からの付き合いですから
「８年前…。」
『(あ、しまった。失言だ。)』
問い詰められるかな、とAは身構えたが
「そうか。」
ベルナルドはそれだけだった
だが
バキッ
ベルナルドが持っていた高そうな万年筆が容易く折れた
『っ！』
「…すまない、新しいペンをくれないか。」
『…はい。』
Aはベルナルドにペンを差し出したが
ベルナルドはAの腕を掴んだ
『っ！？』
ベルナルドはAの首筋に顔を近づけた
『な、何を…。』
「あまり夜遅くに男性と会うのは感心しないな。…ほら、非力な君では私に抵抗できない。」
『お戯れを…。』
「戯れ？君は戯れで男性にここまでの距離を許すのか？」
ギリィとAの腕を掴むベルナルドに僅かな力が入った
『…ベルナルド様。私は何処にも行きません。』
「！」
『誰かと添い遂げるつもりはありません。』
「…。」
『どうか、不安にならないで下さい。』
『もう昔みたいに笑う事は出来ません。』
今は
『もう昔みたいに無邪気でいられないのです。』
大人になってしまったから
『でも、貴方を忘れたことは一度もありません。』
「！A…。」
『(この人は、傷つくことに慣れてしまった。人々の容赦ない悪意に慣れてしまった。)』
『(私だけはこの人の味方でいなくては。…例え、何を犠牲にしても。)』
女は初めてブラジルへ行った日を思い出した
おそらく一番幸福で一番人間らしい感情を持っていた時期
そこで会ったブラジルの少年たちを思い出す
だが、すぐその記憶を怒りの業火で焼き尽くす
非道であれ！
ベルナルドが傷つかないように
強者であれ！
イリーナのヒステリーに挫ける事がないように
全ての感情を押し殺せ！
ベルナルドの傍にいられるように
女は幸福を望まない
その資格がないから
女は笑わない
その資格がないから
あの日ブラジルに行ったAは死んだのだ
あの日怒りが宿った時に
煉獄に焼かれたのだ
あとがき
あれ、これ、いつから予選スタートすれば…？
シリアスモードは好きだが書くとなるとむっずいな
いやぁ、好きと得意はちゃうじゃん？
くそぅ上手くなりたい…
Episode8 一抹の不安→←Episode6 彼女は今も燃え続けている
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おこめ(プロフ) - 通りすがりの夢女子さん» 正直何番煎じかなって不安だったんですけど楽しんでもらえて何よりです！温かなコメントありがとうございます！ (2019年9月6日 18時) (
レス) id: 9ca12ec2fc (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの夢女子 - シリアスなお話、私も好きなのでいつも楽しく拝見させて頂いております。更新、大変かと思いますが、お体に気をつけて頑張ってください。応援しております。 (2019年9月6日 0時) (レス) id: 95d7b0ca4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おこめ | 作成日時：2019年8月24日 21時
