鎮魂歌を君へ (ページ6)

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命短し恋せず乙女ページ6

僕は足取り軽く病院へ向かっていた

しかし

「あっれぇ～？ミカエルじゃん。相変わらず辛気くせぇ面してんな！でっひゃひゃひゃひゃ！」
「そういう君は今日も騒がしいね、ベルガー。せっかく気分が良かったのに台無しだよ。」
「はああぁ！？てめえの気分なんか知るかよっ！」

ベルガーは落ち着きなく周りを見回す

「何？いつも以上に落ち着きがないようだけど。」
「は、はぁあ！？べ、別に！？ふ、フツーだっつーの！」
明らかにフツーの様子じゃないけど僕には関係ないし

「そう。じゃあ、僕は急いでるから。」

病院についた僕は受付のナースに話した後Aの病室まで来た

扉をノックしようとしたら中から声が聞こえた

『泣かないでお母さん。私は、平気だから。』
「でもっ、でも！」
『最近はね、すごく充実してるの。…ミカエルさんに会ってからかな。毎日が楽しくて。』

その言葉に胸が温かくなる

「ミカエルさんって、最近よくAの話題に出てくる天使さん？」
『う、うん。よくお見舞いに来てくれるんだけどね、優しい人でね、ピアノがすごく上手いの！』
「Aはその人が好き？」
『駄目だよ。』
「え？」

『私は、あの人を好きになっちゃいけない。』

『だって、』

『いつ死ぬか分からないのに、好意を伝えるのは無責任だよ。』

え？

手からブリザーブドフラワーが落ちる

ヒロインsaid

バサリと扉の外から何かが落ちる音がした

「あら、何かしら。」
母が扉を開けたら

水色のブリザーブドフラワーが少し散った状態で置いてあった

『っ…！それ、』

聞かれてしまった

一番聞かれたくない人に

ミカエルさんに知られてしまった

ミカエルsaid

気がついたら基地のロビーにいた

いつ死ぬか分からない？

彼女が僕を好き？

二つの情報が僕の脳内でくるくる廻る

そんな時

「あ？ミカエルじゃねぇか。珍しいな、この時間にロビーにいんの。」
「…89。」

「アハッ、はっきゅんセンパイ、それ超ブーメランじゃん！マジねーわ！」
89の隣には最近89の部下に配属された女の子がいた

「てめえはちょっと黙れ。」
「ヤダぷー。」
「ッチ、うぜぇ。ベルガーといい勝負だな。」
「…もう行っていいかい？」

僕はフラフラとその場を去った

「…あいつ、どうしたんだ？」
「きっとセンパイの童貞オーラに充てられたんですよ！カワイソー！」
89は隣の頭に挙骨を落とした