鎮魂歌を君へ (ページ5)

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プリザーブドフラワーページ5

ミカエルは花屋に来ていた
彼女のお見舞いの為の花を買いに

「あら、ミカエルさん。いらっしゃい。今日もお見舞いの花を選びに？」

店主に声を掛けられた

「うん。いつも通り見立ては貴方に任せるよ。」
「では、こちらはどうでしょう。最近入荷したプリザーブドフラワーです。大半の病院は生花が禁止されていますから。」

「へぇ。綺麗な花だね。普通の花とどう違うの？造花でもないんでしょ？」
「花を加工して長持ちさせる用途が一般的ですが、香りも無臭でしょう？病院ではキツい香りの花や首から落とす花、椿などが御法度ですから。」
「じゃあ、色は？いつもピンクやオレンジといった色を選ぶ理由は？」
「赤は血液を連想させ、白はお悔み、お供えを連想させ、患者を悲しませます。ピンクやオレンジは明るい印象だから、という事です。」

ミカエルはふむ、と考えてから

「では、こっちの水色の方を貰おうかな。」
「はい。ありがとうございます。…その子、良くなるといいですね。」
「そうだね。彼女が退院したら此処に連れて来るよ。いつも此処で買ってる花を楽しみにしてるから。」
「まあ、それはすごく嬉しいです。…どうか私の夫のようにはならない事を祈りますわ。」

「…？ごめん、最後の方聞こえなかった。」

店主はニコリと笑い

「どうか早く良くなるよう祈ります、と。」

「ありがとう。僕はもう行くね。」

ミカエルは花屋を出た

「ミカエル、最後までワイに気付かんかったな…。」
「ミカエルさん、とても生き生きしてましたね。」
「ああ、あんなミカエルは初めて見たわ。」
「とても、大切な方なのでしょうね。」

花屋の店主は寂しそうに微笑んだ

あとがき
おっす、お久しぶりの更新っす。
お正月はダラダラと過ごし、とても有意義だったっす。
寝正月ではないよ、ちゃんと外出たよ

ミカの口調迷子！