検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:876 hit

プロローグ ページ3

私は歌が好きだ





時に言葉よりも雄弁に人の気持ちを知る事が出来るから







それは昔からの夢だった





『〜♪〜♪』

「まあ!上手よ!A!」

『えへへ、あのね、Aね!将来、劇に立ちたいの!ただの劇じゃないよ、歌を歌って劇をするの!』

「あら、歌劇のスタァになりたいのね?きっとなれるわ!」

『うんっ!』









「すみません、正直我々の医学では手に負えません。」

「そんな!なんとか、なんとかお願いします!この子の病気を治してあげて下さい!お願いします!」

「…最善は尽くします。」





母の必死な顔と医者の苦々しい顔が私の目に映る



ああ、そうか






私はスタァになれないのか









私はその日、初めて神様を怨んだ









夢を見る事すら許されないのか、と






「ですが、延命は出来ます。延命の為此処に入院しませんか?」








『…はい。』







私の返事は重々しい響きで
その場にこだました









入院して数日






やはり私は歌が好きだ






歌う事を辞められないのだ









中庭でベンチに座り口ずさむ




気持ちを歌詞に乗せて歌う


私は生きたい


生きていたい


その気持ちを乗せた








いつの間にかギャラリーで賑わっていた

木に止まっていた小鳥たちや
入院中の子ども達、お年寄り、ナース等々






喝采が溢れた




そこは確かに劇場だった





ステージもスポットライトもない

小さな小さな劇場



私はその沢山の人の笑顔で満ち足りた気持ちだった






「お姉ちゃんスッゴく歌が上手いね!」

「うん!綺麗な声だった!」

『ありがとう。私、将来歌劇のスタァになるのが夢なの。』

「すっごーい!!頑張って!」

「応援してるね!」




その夢は叶えられる物ではないと知ってるけど

せめて、少しの間だけでも夢を見たかった


私が歌っていられる内に


子ども達のスタァでいたかった







あとがき
ミカエルって天使いるよね
このヒロイン、ホールと気が合いそう

小さな歌劇場→←設定



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:千銃士 , 現代銃 , ミカエル
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

陽香 - 今度はミカエルのお話し!ミカエル推しなので嬉しいです〜!お話し楽しみにしています! (2018年12月27日 14時) (レス) id: 0d667bef81 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おこめ | 作成日時:2018年12月25日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。