彼が吸血鬼になるまでの (ページ47)

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これからページ47

「それで、クローリー様。もうしばらく戦争には行かないんですよね？また明日からは家に帰ってきてくれますか？」

「え？あー…」

場がひと段落したところで、ここからはこの先の話になる。

私の問いにクローリーは少し唸ってから、言うか迷うような顔になってそれから口を開いた。

「その事なんだけど、A」

「はい」

「明日には、実家から借りてた使用人たちを家に返そうと思う。今の家も出て、別の場所に住もうと思ってる」

「…なるほど。じゃあ、明日からは一緒にお家探しですか？」

「いや、家は僕一人で探すから、君は僕の実家で使用人として雇えないか相談してみるよ」

「…へ？」

どういうことだろう。それはつまり、私にクローリーの実家に住み込みで働けということだろうか。

…クローリーのいない家で？

「い、嫌です！絶対！断固として拒否します！」

「大丈夫。僕の家に住むようになってから、君の家事の腕前は上達したし、向こうに行ってもやっていけるよ」

「そういうことじゃないです！私もクローリー様と一緒に住みます！」

「…いや、今までは他の使用人がいたから良かったけど、今度からは二人きりだよ。恋人同士でもない男女が一つ屋根の下で暮らすなんて、変だろ？」

たしかにそう言われると変だけど！

でも、嫌なものは嫌！辛い業務だってクローリーのためだと思ったから頑張ったんだもん！クローリーの家族とはいえ、知らない人のためにあんな辛い作業はできません！

「…それなら、クローリー様のお家の隣で野宿します」

「危ないし、絶対風邪ひくよ、それ。そんなに嫌？」

「クローリー様と離れるのが嫌です。住み込みの使用人なんて、自由に会いにいくこともできないじゃないですか」

絶対に譲らないぞ、と口を引き結べば、クローリーはすごく困った顔になった。

ああ、クローリーも疲れてるのに、こんなワガママで困らせてごめんなさい。

「…ごめんなさい。ワガママばかりで。でも、私…」

「ああ、もう。分かった。なら、新しい家に連れて行ったら君は満足するの？」

その言葉にバッと顔を上げる。
もう口論するのも疲れるという顔で、クローリーが投げやりに手を振った。

「えっ、いいんですか？」

「しょーがないでしょ。ただし、ちゃんと仕事はするように」

「はいっ！もちろん！」

元気よく返事をした私を横目で見ながら、クローリーは大きなため息を吐いた。