彼が吸血鬼になるまでの (ページ18)

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あさページ18

ちちち、ちゅんちゅんという、二次元ではお約束の朝を知らせる鳥の声。

窓から差し込む日の光とともに、私は目を覚ました。

「ふわあ、よく寝た。んん？屋根裏って聞いてたけど、思ってたよりも広くて綺麗…」

まずふかふかのベッドに驚いて、部屋の中を見渡せば掃除の行き届いた清潔なお部屋。

屋根裏に泊まると聞いていたけれど、この世界ではこれが狭くて汚いということになるのだろうか。そんなところまで文化の違いが。

…なにかおかしい気がするぞ。

思えば、昨晩の記憶がほとんどない。クローリーと夕食を一緒にしたところまでは覚えてる。それから、それから？

さーっと顔から血の気が引いていく。いやいやそんなまさか、ははは。

心臓が嫌な想像にバクバクと音を立てる。そこに、コンコンとノックの音が響いた。

冗談抜きで口から心臓が飛び出しそうになる。

「入るよ」

「はい！どうぞ！」

ビシッと、ベッドの上で背筋を正す。凝視しているドアがゆっくりと開かれ、明るい茶色の髪を揺らした美丈夫が姿を現した。

綺麗な顔にぼーっと見惚れていると、怪訝そうに眉を潜められる。

「僕の顔になにかついてる？」

「や、カッコいいなあって、見惚れてただけです。なんにもついてないですよ！」

あせあせと慌てて言葉を連ねる。なにか変なことを言ったりしていないだろうか。大丈夫だとは思うけど。

私の言葉にむう、と難しい顔をしたクローリーが、諦めたようにはあと息を吐いた。うう、カッコいい。

「昨晩のことを覚えてるかな」

「夕食を食べ終わったところまでは」

予想通りの答えだったのか、クローリーが頷きながらこちらに歩み寄ってくる。

あ、そんな、心臓に悪い。

「なら、昨晩なにがあったのかを教えよう。それと、君のこれからについて」

ベッドの脇にあった椅子を引いて座るクローリーが真面目な顔をしていたので、私もぐっと顔を引き締めて、クローリーの正面になるようにベッドの淵に座り直した。

クローリーが近すぎて気を抜いたら意識が飛びそうだ。私の顔、ちゃんと引き締まってる！？