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それから、一年、二年、…と 春には、必ずあの方は現れた。
そして、春が終われば 蝶のように ひらり、といなくなってしまって。
そんな繰り返しをし 気づけば、時間と想いだけが
募っていった。
あの桜の木も、年々大きくなり 枝が窓の近くまで来てしまっていて 近々切り落とさなければならなくなってしまったようで。
あぁ、2人で見る、近くの桜が綺麗だったのに。
何事においても、大きくなりすぎては いけないのね。
「… ちょうちょ、 ちょうちょ… 菜の葉に止まれ…」
____ A。 あのレイというお方、妻子がいるらしい
「菜の葉に飽いたら … 桜に止まれ…」
____ 彼は殿様の側近だったらしく、妻は 元は遊女だそうよ
「桜の花の 花から 花へ…」
____ それでも 遊び歩いているという噂が絶えないわ
____ 夜には 毎晩家を出て行くってさ
____ たくさんの遊女を弄んでいるみたい
「とまれよ あそべ …あそべよ、とま…れ…、」
春のまま ずっと 止まって
そう、何度願ったかもわからない。
その綺麗な唇も 指も 全て わたしだけが知っているのではないのね。
全て、わたし以外の幾人もが、知っているのね
…あぁ、胸が痛い 苦しい 涙が出る
これは、…恋の、病。
恋が 実らない 病。
『A』
襖の開く音がして 振り返れば 彼は そこにいた。
あぁ、また春が来た。
「レイさん」
『…変わらず、綺麗だ 貴女はとても』
そんな台詞 飽きるほど 吐いてきたんでしょう。
でもわたしは、それでもいいと思ってしまうほどに
嬉しかったの。
貴方に、 綺麗 と言われるだけで
貴方に、名前を呼ばれるだけで
わたしは、嬉しいの。
ゆっくりと手を合わせ、絡め
背中が 床に着いたとき
ふと、窓の外を見ると
夜なのに 蝶が ひらり、ひらり、と飛んでいた。
真っ白な、小さな 蝶が。
桜の花に止まり、 蜜を求めた蝶は
また、ひらり、ひらりと 何処かへ飛んで行ってしまった。
「…貴方は 蝶のようですね」
『…では貴女は、 桜のようだ
春は…貴女で 僕の心は満たされるよ』
そのまま唇を重ねたわたしたち。
貴方が望むならば、桜でいい。
貴方が望むならば、春だけの花でいい。
ただ、お願い。
春は、わたしに 独り占めさせて。
「レイさん…」
____ ちょうちょう ちょうちょう
____この指 とまれ
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まんちかん(プロフ) - ぎょんすやぁぁぁ(//∇//)(´д⊂)カイドペンです。このぎょんすすごくタイプです(><) (2016年6月22日 9時) (
レス) id: a211558dbf (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ユメさん» いえいえ、こちらこそ読んでいただいてありがとうございました(^-^)♪ (2016年3月14日 18時) (レス) id: 3a2005b22e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずっぺ！(プロフ) - やばい…面白い!!! (2016年3月14日 18時) (レス) id: c93b607bbd (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - クリスのお話ほんとにありがとうございます！！！！！ (2016年3月14日 17時) (レス) id: 03540e3701 (このIDを非表示/違反報告)
北国(プロフ) - アイラビュゥゥゥフォーエバァぁあああああっ (2016年3月13日 22時) (レス) id: 453ee14f6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NeNe、レタス、ゆーりんご、玲仁、ちょな、北国
x他3人 | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2016年3月12日 8時
