家族ごっこのサーカス団 2【JW】 (ページ5)

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桃「おいし！」

口の周りに牛乳をたっぷりつけて空っぽになったコップを掲げたのんちゃんは隣に座る照史と一緒にホットミルクのお代わりをはまちゃんに強請っていた。

特に照史は相当気に入ったのか、ただ牛乳を温めるだけの簡単すぎるレシピを間近で見たいと、自分専用のオレンジ色のコップを手にキッチンに消えていったはまちゃんについていった。

それにしてもホットミルクの効果はすさまじいらしい。さっきまで赤ん坊みたいにぴーぴー泣いていたおとうとたちは鼻水こそずるずるすすってはいるもののすっかり泣き止んだ。

「んで、みんなで起きてきてどうしたん？」

そういうとせっかく落ち着いたのにまた神ちゃんが泣きそうになって、慌てた俺は「あぁ、ほら！ホットミルク飲んで！絶対落ち着くから！」なんて根拠のないホットミルク論をごり押した。

俺ホットミルクの力過信しすぎてないか？

でも俺に言われるままにホットミルクを一口飲んだ神ちゃんはちゃんと泣き止んだんやし、ほんまにホットミルクはすごいんやと思う。

青「俺らは寝てたんやけど、望にはまちゃんがいないって起こされて俺パニックになってもうて他の皆も起こしたら今度は照史が淳太がいないって気付いて、俺らパニックになってもうて。」

緑「でも、もしあいつらがここにたどり着いてもうてて、まだ家の中にいるなら俺らもつかまってまうって怖くってなかなか部屋から出られへんくて、確認にもいけないからじゅんたたちがほんまにいないかもって俺ら怖くて、」

赤「どうしようか迷ってたら淳太の声が聞こえて、ほぼ反射で部屋飛び出たらふたりともちゃんといてほっとしたらなんか泣けてきたんよな。」

俺は自分の怖いって感情から逃げるためにはまちゃんに頼ってたけど、そのせいで他の家族たちに怖い思いさせてもうてたなんて、兄貴失格やな。

自分しか見えてなかったんや。

「ごめんな、怖い思いさせて。もう怖い思いさせへんように俺提案があるんやけど、」