オッパの嘘つき

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｢…向こう｣

JS｢向こうってどこ？探してたのに｣

｢オッパ忙しそうだったし｣

私が膨れてそう言うとオッパは
私の手にあるブーケを見つめたかと思うと
その手を取って上にあげた。

｢な、なに｣

JS｢Aが自分で取ったんだよね｣

｢うん｣

JS｢オッパ見てたよ｣

｢…うん｣

JS｢よかったね取れて｣

何それ他人事すぎない？
そんな言葉は喉につかえて出なかったけど
やっぱりオッパは私のことそんなに…
この前好きって言われたのに…

｢オッパ…｣

JS｢A｣

オッパに話そうとしたら
たまたま話すタイミングが被った。
オッパは、ふふっと笑って
私の手を離したかと思えば
今度は両手を握った。

JS｢ねえA｣

｢…なあに｣

JS｢結婚しよっか｣

｢…え？！｣

耳に入ったあとに理解が遅れてしまって
すごく間抜けな声が出てしまった。

｢え、い、今なんて…｣

JS｢オッパと結婚しよっか｣

｢…誰が｣

JS｢Aが｣

｢だ、誰と…｣

JS｢もう、何回言わせるの？｣

笑ったオッパは私をギューッと抱きしめて
今すぐはちょっと難しいけど
絶対結婚しよう約束って笑った。

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