ゲームの世界にトリップしたらステータスが狂ってました【１】 (ページ2)

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恐る恐る目を開けると、そこには金髪の少女と妖精がいた。

(この子は確か…。)

主人公の双子の片割れ・蛍とパイモン。原神ガチ勢の目に狂いはない。

蛍「大丈夫ですか？」

『え、あ、ああ…ありがとう。』

パ「お前冒険者か何かか？ここら辺はモンスターがでるから危ないぞ。」

(リアルに蛍とパイモンと喋れてる…神様、ありがとう。)

パ「どこに行くつもりなんだ？近くまでついてってやるよ！」

『え、あ、いや…家に帰ろうかな～って思ってたんだけど、迷っちゃって…。』

パ「そうなのか！お前、どこの出身だ？」

『…えと、ニホン…。』

パ「に、ニホン？そんな国聞いたことないぞ。」

(これは完全にゲームの世界ってことか…。)

私はついに念願の異世界トリップを果たしたようだ。

(つまり…あのくそみたいな会社に出勤しなくてすむ！！！)

蛍「…もしかして異世界人？」

『…私の覚えてる限りだと、こんな世界じゃなかったのは確かかな。』

パ「な、何だって～！？」

蛍「あなたも神に会ったの？私のお兄ちゃん見なかった？」

『う、えと、ごめん。分からないや。』

ゲームのストーリーでは兄の空も同じ世界にいて、

アビス教団の”王子様”になってる。

食い気味で聞いてくる蛍には申し訳ないけど、まだ知らない方が幸せだと思う。

パ「お前、名前は？」

『…A。』

パ「じゃあ、A！今からオイラたち、モンドに行くんだ！一緒に来ないか？」

『じゃあ、お言葉に甘えて。』

蛍「よろしくね、A。」

なぞに夢のトリップを果たした私は２人と一緒にモンドをめざすことになった。

個人的にはモンドでゆったりと住民生活を送りたい所存。

だって、痛いの嫌だし。

社畜だった私にとって、一日中モブとしてぽけーっと過ごすことがゆめだったのだ。

率先してメインキャラとは関わりたくはない。

ただの会社員が余計なことに首を突っ込めば、すぐに命を落としてしまいそうだ。

暴風龍とかと戦うのとか無理ゲーだし。実際のゲームでもちょっと苦戦したんだから。

そして、あのクエスト攻略のため走り回る日々…。

ゲームならいいけど、実際にはしたくない。

木をとってきてほしいとか、じぶんでやれや！！って感じ。

とりあえずは、モンドに着くまで２人についていく。