醜い黒髪 ページ6
ご飯を食べてひと段落ついた私はお風呂に浸かっていた。シャンプーとコンディショナーを流した髪を１つに縛って肩までまるまる浸かる。
無意識に口から出た吐息は疲れが溜まっていた証なのか、はたまたこれから話さなきゃいけない事についてなのか。
ぼんやりと水面を眺める。白い入浴剤の入った湯船のお湯を手で優しくかき混ぜた。水の音が心地いい。お風呂を出た後の事を考えなければ、と思考を働かせるけれど、湯気で霞む水面と比例するように思考が霞んで、うまく考える事が出来なかった。
「………ま、なんとかなるか」
口にしたらなんとなく本当にそうなるような気がしてきたし、そんな深刻な話でもない。元々わかっていたことだ。それに爆豪くんなら受け止めてくれる。
そう思うと自然と安心できて、やっと身体の力が抜けた気がした。そんなところでようやく自分がのぼせかけている事に気がついて湯船を出た。
水滴を拭き取り、髪の毛の水気もだいたい拭き取った。柔らかいパジャマに身体を包んで、肩にタオルを掛ける。洗面所のドライヤーを手にとって、脱衣所の扉側にある洗面所の鏡と向き合った。
コンセントをさして、ドライヤーの電源を入れる。
「………あ、」
鏡の中の自分と目が合うと、ドライヤーを動かす手が一瞬止まった。
髪の毛が、以前よりも黒みを増していたのだ。
(…どんどん、どんどん醜く………)
前は黒みを帯びた紫色の髪の毛だった。それはそれで禍々しくて嫌だけれど、今は紫を帯びた黒髪のようだ。八百万さんのような黒髪には憧れがあったけれど、こんな醜い黒は願い下げだ。もっとこう、濁りが少しもない純粋な黒髪でケアが行き届いてて…
…元の、桜色の髪なら、今よりほんの少しだけ醜くない私なら、少しは今より爆豪くんに好いてもらえただろうか。
………なんて、爆豪くんは髪色で人を判断したりしない人だとわかっているのに、そんな最低な事が過ぎる。
ぶんぶんと頭を振ってそんな思考を振り払った。
しっかりしろ、とドライヤーを持っていない左手で自分の頬を軽く叩いた。
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るん(プロフ) - このシリーズ大好きです。続き楽しみにしてます！！ (2021年9月9日 12時) (
レス) id: a052de4372 (このIDを非表示/違反報告)
pandahero(プロフ) - 続編おめでとうございます！今後も応援してます!続きがめっっっっっちゃ楽しみです！！！ (2020年11月21日 5時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 焼海豚?さん» 更新が大変遅くて申し訳ないです…本当に嬉しいです！わざわざコメントまでありがとうございます！励みになります！ (2020年11月12日 21時) (レス) id: 9a02cd01d7 (このIDを非表示/違反報告)
焼海豚?(プロフ) - 数日前から読ませていただき、もうここまで追いつきました……！とても面白く時々泣いてしまって完全にファンです……更新をたのしみにしてます！！ (2020年9月25日 0時) (レス) id: 137a1b63be (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 私情なのですが、話をまとめていたメモが破損してしまい丸ごと消えてしまいました。なのでお話の辻褄が合わなくなったりしてしまう可能性がございますが、許容としてくだされば幸いです。不定期ですが更新していけたらなと思ってます。 (2020年4月30日 11時) (レス) id: 9a02cd01d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 x他1人 | 作成日時：2018年10月3日 23時
