ぐしゃぐしゃの髪 ページ43
その時、教室の扉が乱暴に開かれる。
そんな騒音も大きな足音も、次に聞こえる声も、もう聴きなれているもので。
「てめえはいつもいつも…こいつ泣かせてばっかだよなァ!!!」
案の定、爆豪くんが目を吊り上げて私の頭に触れていた焦凍くんの腕を強く握った。
あっ、と思った時にはもう遅くて、焦凍くんの腕は爆豪くんの手に力強く振り払われてしまっていた。
「つかてめ誰の許可取ってそいつの頭触ってんだ？？あァ！？」
「誰の許可もいらねえだろ、」
「ンだとコラてめぇ！！！」
どうしてこの2人はこんなにも仲が悪いのだろう。
やはりこう言う喧嘩の原因は私なのだろうか？
でも爆豪くんに大事に思われているのは痛いほどわかってしまうから、嫌な気持ちにはなれない。
「爆豪くん、あの…」
「わかっとるわ！」
口を出そうとする私を遮って爆豪くんはキッと睨む。
「…どーせ、こいつに泣かされたわけじゃねんだろ」
爆豪くんは吊り上げていた目を瞑って大きなため息を吐くとそれ以上怒鳴り声をあげる事はなかった。
代わり、と言ってはなんだけれど、爆豪くんは行き場のない苛立ちをぶつけるように私の頭に両手を置いてぐしゃぐしゃにした。
「わっ、わ、」
ボサボサの私を見て安心したように、そして馬鹿にしたように焦凍くんを見て鼻で笑った。
私は渋々ボサボサになってしまった髪の毛を手櫛でとかした。
2人を見ると、睨み合っていて私はふふっと笑ってしまう。爆豪くんがギロリと私を睨むけれど、なんだか2人が可愛らしくて笑いが止まらなかった。
「どうかしたか？」
「なんでもない、けど…爆豪くんと焦凍くん見てたら楽しくなっちゃった」
焦凍くんが首を傾げて私を見る。
私が再び思い出してくすくすと笑うと、爆豪くんは不貞腐れたようにそっぽを向く。
「…何笑ってんだよ」
「ふふ、ごめんね」
そして大きなため息をつくと、もうどうでもいいと言うように焦凍くんを睨みつける事をやめて静かに席に着いた。
後ろから見える爆豪くんの尖った髪の毛が少し揺れていて、それすらも可愛らしく見えた。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
