友達との時間 ページ32
4時限目。今日の訓練は実戦らしい。
幸い雨は止んでいる。
ついこの間着たばかりのヒーローコスチュームが、なぜだか懐かしいような気がした。
「このヒーローコスチュームもだいぶ慣れてきたよね」
そう言いながら、響香ちゃんがコスチュームの袖を通した。
今が着るそのコスチュームを少しだけ見つめたけれど、私はやはりまだ慣れそうにはなかった。
ヒーローらしい事をしている自分にまだ慣れる事ができないからだ。
「戦闘訓練にも慣れてきたしね！」
「体育祭で実際の対人戦での対処法とかも学べたし、さすが雄英！！」
そんな声を聞きながら、私はコスチュームを身につけて小さく深呼吸する。
少し伸びた髪の毛を一本に結んで、更衣室の鏡で顔を見た。相変わらずの間抜けな顔でくすりと笑うと、みんなの後に続いて更衣室をでた。
「Aちゃん、今日一緒に帰ろ！」
更衣室を出ると、目の前にお茶子ちゃんが立っていた。にっこりと笑って、私の手を握る。
私はつられて笑うと、手を握り返して頷いた。
そうだ、ワゴンのアイスクリーム屋さんにでも寄ろうかな。なんて考えながら、私たちはグラウンドβへ向かった。
「今日の訓練はこれだ!!」
オールマイト先生が持っているクジは入学してから1番初めにやった戦闘訓練の時と同じものだ。
あの日、私は敵役だった。
もっとも、予知を使えずに負けてしまったけれど。
渡されたクジを引くと、先端には『8』と書いてある。
「わ！Aちゃんと一緒だ！」
「ほんとだ、嬉しいっ」
また負けるかもしれないし、もしかしたら勝てるかもしれない。
正直、どちらでもよかった。私はただ、友達と一緒にいれる事が嬉しかったのだ。
「…帰りさぁ、公園にあるワゴンのアイスクリーム屋さん行かない？」
「いいね！何味にしようかなぁ」
些細な日常の、些細な幸せ。
そんな幸せが一瞬、「夢なのかも知れない」と思えてしまった。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
