雨の日 ページ31
「うー…」
鏡の前に突っ立っている私は、情けない声を出して鏡の中の自分を見た。
湿気でジメジメしているせいで、髪の毛があっちこっちに跳ねているあげく、ぼわぼわとしてまとまりがなくなっていた。
アイロンを使っても結局湿気で戻ってしまいそうだし、濡らして櫛でとかすだけでなんとかなりそうと言うわけでもなかった。
「何唸っとんだ。飯冷めんぞ」
「…………髪、たすけて…」
訴えるような目で爆豪くんを見ると、爆豪くんは私のボサボサの髪を見て数秒してから溜息を吐いて私の髪に手を通した。
そして流れるような作業で、私の髪を綺麗なハーフアップにして見せたのだ。
跳ねている部分はうまく纏められていてほとんどわからない。さすがだ。
「ありがとう！ご飯食べてくる!!」
机の上には温かいコーンスープとホットサンドがあった。それを頬張って、ニュースの占いコーナーを見る。
占いは信じない、とは言うけれど。なんだかんだ、人は何かに頼らなければ生きていけないものなのだ。…なんて、言ってみたり。
「7位…微妙だ……」
地味に落ち込んでいると、あまり時間がない事に気がついて慌てて食べるペースを早めた。
ホットサンドを口に詰め込み、もぐもぐと口を動かした。あと7分以内に家を出れば間に合うはずだ。
「………ハッ！」
その時、占いの12位と1位が発表される。
私はそれをみてハッとすると、先程からリビングに帰ってこない爆豪くんの名前を呼んだ。
爆豪くんの事だから、多分洗面所の掃除とか、私の布団を干したりとかしてるんだと思うけど。
「爆豪くーん!!!!!」
「んだコラうるせえ！」
「爆豪くん占い1位だったよ！！」
「どーでもいいわ！！早よ食え!!」
声を張り上げて、2回にいるらしい爆豪くんと言葉を交わすと、残りのスープ。流し込んだ。
横の椅子に掛かっていたブレザーを着て、バッグを持つ。鏡の前に立って全身確認をしてから靴を履いた。
「爆豪くん！準備できた！」
そう言うと、ドタドタと階段を降りる音がする。
外から、シトシトという雨の音が聞こえた。
少しだけ扉を開くと、ポツポツと地面を打つ雨粒とどんよりとした空が見える。
「やっぱり雨かぁ…」
「家の鍵忘れんなよ」
「はーい」
傘のせいで、爆豪くんとの間が空いてしまうのが少しだけ寂しかった。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
