ささやかな朝の幸せ ページ4
ピリリリ、と音がしてハッと目を開ける。
開いたカーテンから眩しい光が瞼を焼く。
鳴り続けていた目覚ましのアラームを止めた。
欠伸を零して、上半身を起こす。
隣を見ると、お茶子ちゃんはまだ寝ているようで、隣の布団がもっこりと盛り上がっている。
伸ばした手にこつりと当たったものを持ち上げると、携帯に付いていたうさぎのストラップが顔にかかる。
その時、プルルルと携帯が揺れて、驚いて離すと額にごつりとぶつかった。
痛み額を抑えながら電話に出る。
『クソ寝坊』
「……起きてる…」
その声に頬を緩ませて布団に潜り込んだ。
キツイ訓練の事なんか忘れて、爆豪くんの声と幸せにただひたすら浸った。
まだ別れてから1日だと言うのに、1週間も会えないなんて寂しくて仕方がない。
『寝てんだろ』
「………ん…」
爆豪くんの声に再び瞼を閉じそうになった時、爆豪くんの声が聞こえてハッとする。
爆豪くんの声は安心して眠くなってしまうからいけない。
これから眠れない夜は、爆豪くんの声を思い出すことにしよう。…なんて変態じみた事を考える。
『体調は？』
「大丈夫。爆豪くんは？もう行くの？」
『俺の事はいいんだよ』
私にとってはどうでもよくない。
むしろ私の事なんかより爆豪くんの事だけを聞いていたいくらいだ。
そんな事言っても爆豪くんは聞いてくれないのだろうけれど。
『体調悪い時はすぐに休め』
「お茶子ちゃんもいるのに私だけ休憩なんてできないよ…」
『関係ねえ。それで倒れる方が迷惑だろ』
それは確かに…と、言葉を飲み込む。
爆豪くんとて、意地悪で言っているわけではない。
私だけ甘えているようで気は進まないけれど、体調が悪いと感じたらすぐに休むようにしよう。
無理して倒れたら爆豪くんに怒鳴られてしまいそうだ。
『……じゃ、切るぞ』
「……………うん、今日も頑張ってね」
寂しさが襲うも、わがままを言うわけにも言わず、「もう少し」と言う本音は抑えた。
ぷちり、と電話が切れると、携帯を置く。
次に声が聞けるのを楽しみに、布団に入っているお茶子ちゃんの方を向いた。
「……お茶子ちゃーん…朝だよ」
「んー、」と言う声が聞こえるけれど、起きる様子はない。
お茶子ちゃんのベッドのそばまで行って、少し布団を捲ると気持ちよさそうに眠るお茶子ちゃんがいる。
多少の罪悪感を振り払ってゆさゆさと揺らして見るも、盛り上がった布団がもぞりと動くだけだった。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
