多少の躊躇い ページ25
「美味しい！可愛い!!」
ショッピングも済ませて疲れてきた頃、近場のカフェに入り、白くて端に金色のラインが入った机の前に腰を掛けた。
そしてそんな私たちの前に出てきたのは、カラフルでフルーツをふんだんに使ったパフェだった。
疲れてお腹も空いていた私は、銀色のスプーンでアイスとフルーツを掬い取る。
口に含むと、ひんやりとしたアイスとフルーツの酸味が口いっぱいに広がった。
「ここね、この前言った駅前で話題のところじゃないんだけど、今日は近いからこっちにしちゃった
あそこはまた今度行こうね」
「うん！カフェなんてほとんど行った事なかったけど、こんなに美味しい食べ物あるんだね」
友達のいなかった私が1人で入る勇気もなく、今までは美味しそうにスイーツを頬張る女子達を横目に通り過ぎていたはずの場所なのだ。
それが今は私がスイーツを頬張る立場であって、友達もいて、幸せだった。
「あ、あと食べ終わったらもう一ヶ所行きたいところあるんだけど…付き合ってくれる？」
「うん、お茶子ちゃんに着いて行くよ」
私は苺のカケラを口に含んだ。
爆豪くんとも一緒に食べたかったなぁ…。
でも、爆豪くんは甘いもの好きじゃないし、きっと食べてる私をずーっと見てるだけなんだろうな。
そんな事を思っていると、お茶子ちゃんの口角がニヤリと上がった。
「爆豪くんの事考えてたんでしょ」
「えッ…違うよ！」
「別に隠さなくても、Aちゃんは爆豪くんの事ばっかり考えてるの知ってるもん」
思わず口籠ると、お茶子ちゃんがくすりと笑うからカッと顔が熱くなった。
私はそんなにわかりやすいのだろうか。
隠しているつもりもないけど、そんなあからさまにしているつもりも毛頭ない。
バレたら嫌というわけでもないけれど、恥ずかしいのだ。
「やっぱり好きなん？」
「す…っ」
ストレートな質問に同様で銀色のスプーンが机に転がりガシャンと音を立てる。
顔が熱くて、少し俯いた。
ここで認めたらどうなるだろう。
どう思われるだろう。
これから私が死ぬんだと言う話をしたら、死ぬ癖に爆豪くんを好きになってしまったのだと知ったら、
お茶子ちゃんはどう思うだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 595人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
