予期しない返答 ページ21
この家に帰るのも1週間ぶりだ。
ガンヘッドさんのところが居心地悪いわけでもないのだけれど、久々の家にほっとして肩の力が抜ける。
「爆豪くん、荷物ありがとう。ここからは私が…」
「いい。部屋まで運ぶ」
爆豪くんが心配してくれているのはわかったけれど、にしても冷たい。
まだ怒っているようだし、その原因は大雑把に「迷惑を掛けたからかもしれない」と言う曖昧なものだ。
それに、迷惑かけた次の日の電話ではなんともなかったのに、どうして会った途端にこんなに不機嫌になってしまったのだろう。
「…ただい、ま…」
答えが返ってこない事はわかっていたけれど、1人じゃないんだと自分に言い聞かせるようにか細い声でそう言った。
私は爆豪くんの顔が見れなくて、そのままひっそりとソファーの端に腰を落とす。
「……………おかえり、……で、満足かよ」
ハッとして顔を上げると、爆豪くんは顔を背けてしまった。でもその素っ気ない一言が嬉しくて、少し鼻がツーンとする。
でも、爆豪くんが怒っていたと言う事は、やはり私が何かをしたからだ。迷惑を掛けたからと言うのが1番妥当だけれど、具体的に何に怒っているのかを聞かない事には謝る事すら出来ない。
「………そ、それで…」
話を切り出そうとすると、荷物を置き終えた爆豪くんが私の横に腰を掛けて、ソファーがゆさりと揺れた。
膝の上に置いた緊張で震えている拳をぎゅっと握って、私は小さく息を吸う。
「爆豪くんが怒ってるのって…やっぱり、私がたくさん迷惑を…」
「別に怒ってねえ。腹は立ってる」
それを怒ってるって言うんじゃ…
と、口に出せばゲンコツが私の脳天にたんこぶを作りそうだったため黙った。
今日の爆豪くんは言葉をよく遮るな…むしろそれが冷たく感じた理由かもしれない。
「じゃあどうして…」
「…………風邪も怪我も、仕方ねえだろ」
それはつまり、風邪も怪我も私のせいではないと思ってくれているのだろうか。
けれどだとしたらなおさら、なぜ腹を立てていたのだろう。
別の事だろうか。例えば、電話をしなかった事や、夜中に電話をかけた事。
……心当たりが多すぎる。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
