また明日、 ページ3
その時電話の向こうからプチリと音がした。
『もう寝んのか』
低い声が電子を伝わって鼓膜に響く。
なぜだか、ハッと息を止めた。
理由はわからないけど、なんだか泣きそうになってぐっと堪える。
たかが1週間。それだけだ。それだけ我慢すれば、また爆豪くんに会える。
「……えっとね、まずご飯はちゃんと食べたよ。あといちごみるくも我慢した」
『…おう』
「あとはね、訓練が大変で今ヘトヘト…お茶子ちゃんは、…って、寝てる…」
いつの間にか隣でスヤスヤ寝ているお茶子ちゃんに気がついて、声を少し落とした。
立ち上がって、お茶子ちゃんにゆっくり布団を掛けると、「ん…」と声を零して体をよじる。私は起こさないようにと慌てて手を離して自分のベッドに戻った。
「対人戦闘の訓練を主にしてて…、」
『身体弱くなってんだろ。いいのかよ』
「うん、むしろ少しくらい動かしとかないと早死にしちゃうよ」
少し強がってみたけれど、実際過度な運動は体に良くないのは事実だ。
私のわがままでここにきたことは、爆豪くんには言わないでおこう。
きっと、心配をかけてしまう。
「……体調はね、よかったよ」
『そうかよ、』
さっきのお茶子ちゃんの言葉だけに、爆豪くんの言葉に安心してしまって。
たまらなく、会いたくなってしまう。
それで、「バカかよ」って言いながら頭に手を乗せてくれたら。
そんな妄想は、爆豪くんの声によって終わりを告げた。
『…どうした？』
「ううん、ちょっと寂しいなって」
『朝会っただろ』
「そうなんだけど…」
爆豪くんの声を聞いていると、だんだんと眠気が襲ってきた。
でも電話を切りたくなくて、次にいう言葉に躊躇った。「もう寝るね、」なんて言ってしまったら、この声が聞けなくなってしまう。
『………このまま寝ちまえ』
「…ぅ、え…」
『お前が寝たら俺が切る』
その言葉の真意はわからない。
私が夜更かししないように監視してる、と言う意味かもしれないし、はたまた私が切りたくないのを察してくれたのかもしれない。
どちらにせよ、それが嬉しくて、私は眠気に委ね目を瞑った。
『また明日な』
その声を最後に、私は深い夢の中へと落ちていった。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
