頑張ってるね ページ18
微熱のまま布団についてから約2時間。
ガチャリと扉が開く音で目が覚めた。
「ただいま〜…」
ぱちりと目を開けて、ベッドから上半身を起こす。
目が合うと、お茶子ちゃんはパッと明るい笑顔になって私の方によってきた。
「体調は？顔色は良さそうだけど…」
「うん、もう身体もだるくないし、多分下がってると思うよ。迷惑かけてごめんね」
純粋な目を見るのはなんだか罪悪感があって、さりげなく目を逸らしてしまった。
そんな事は気にもせず、お茶子ちゃんは変わらぬ笑顔で安心したような顔を見せる。
「……それに…き、昨日も…」
おそらく、熱を出し、怪我をして泣き出したのだからお茶子ちゃんが知らないはずもない。
昨夜、私が覚えていない痴態もきっちり見られてしまっているのだろう。
恥ずかしさと、罪悪感でお茶子ちゃんをまっすぐに見れなくなった。
「うん、Aちゃんいつも頑張ってるもんね！
たまには吐き出さないと疲れちゃうよ！」
ぐっ、とガッツポーズをしてにっこり笑うお茶子ちゃんに今度は目が離せなくなった。
一瞬呆然としてから、拳を握り締める。
どうして私はこうなれないのだろう。悔しくて仕方ない。これじゃあいつまで経っても迷惑掛けてばかりで、感謝の気持ちを返してあげられる事なんてできない。
「………………私、頑張ってる…？」
「うん、Aちゃんはすごいよね」
疑いを知らないような瞳で、私を見つめるから。
私は泣きそうになって、詰まった息を吐き出すように少し笑った。
その拍子に、ぽろりの涙が溢れる。
ハッとして拭うけれど、「これは記憶に残りそうだなぁ」なんて考えながら、少しだけ安堵と喜びに肩の力を抜いた。
「……ふふ、初めて言われた」
「嘘だぁ、私は友達になってすぐ思ったけどな…」
嘘じゃない。こんな事を言ってくれるのなんて、お茶子ちゃんくらいだ。
私なんか、みんなに比べたら天地の差だ。
お世辞に決まってる。
なんて、そんな考えもお茶子ちゃんの顔を見ていると全て吹き飛んでしまう。
本当なんじゃないか、と思ってしまう。
本当かどうかはわからないけど、今は少し信じてみようと思うのだ。
お茶子ちゃんの顔を見て、もう一度微笑むと
目の端から溢れた最後の雫が頬を伝って、力の緩んだ拳に落ちた。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
