蝕まれていく ページ6
「一括りに予言って言っても私が見れるのはせいぜい数秒先だし、それにコントロールはできないんです」
「それでもすごいよ…私なんか無重力だけだよ〜」
そう言いながらネクタイを浮かべさせたお茶子ちゃんは恥ずかしそうに笑った。
私から見ると、誰の個性も羨ましく見える。
私も普通の個性が欲しかったな、なんて。今更言っても仕方ないのだけれど。
「私はお茶子ちゃんの個性かっこよくて好きだよ」
「もーAちゃん可愛すぎやん…」
ぎゅっと柔らかい身体に抱き締められて固まった。
でも不思議と嫌な感じはしなくて、抵抗する事なく身体を委ねた。
時計を見ればだいぶ時間を食ってしまっているのがわかる。次の時間はたしかプレゼントマイク先生の英語だ。
「…時間、やばいね。お茶子ちゃん」
「わー！ほんとだ！」
みんなが慌てて着替え始めると、私はようやく制服のボタンを留め終えた。
その時、胸に息苦しさが走って口元に手を当てた。
「…どうしたの？大丈夫？」
こほこほと咳き込めばお茶子ちゃんが私の顔を覗き込んだ。
手を見てみても特に血液が混ざった様子はない。
ホッとしてお茶子ちゃんに笑いかけた。
「大丈夫だよ。ちょっとむせただけ」
「そっか！」
妙に苦しいのはおそらく過度な運動をしたからだろう。
今は4月。あと3ヶ月で私は死んでしまう。
どんどん身体が壊れていっているのはわかっていた。
こうして自分の身体が蝕まれていく事実を自覚するたびに、「やっぱりそろそろ死ぬんだな、」としみじみ思ってしまうのだ。
「Aちゃん！いそご！」
「うん、」
(苦しい)。そんな気持ちを胸の奥に強く強く押し込んで、胸元の服をぎゅっと握った。
込み上げてくる席と胸の痛みを必死で抑えて、お茶子ちゃんに続いてようやく私は更衣室を出た。
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クーニャン(プロフ) - えーと、見失ったので、また見つけたら、連絡します。 (2018年10月13日 20時) (
レス) id: 5eb4794cf2 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - クーニャンさん» この度はお話を読んでいただきありがとうございます！寿命は16歳までの数ヶ月と言うのが正しいです！間違ってしまっている回がわかるのでしたらご報告いただければ修正してまいります！混乱させてしまって本当にごめんなさい！ (2018年10月12日 2時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
クーニャン(プロフ) - 初めまして、こんばんは。わからないところがあるので、質問です。ある回で16歳で死ぬ、残り数ヶ月。というのと、寿命が残り数年と書かれた回があります。どちらが正しいのでしょう？ (2018年10月11日 23時) (レス) id: 5eb4794cf2 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - tukihoさん» はい！頑張ります！！ (2017年12月31日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
tukiho(プロフ) - 山野 珠雨さん» 受験生頑張ってください!!努力は報われます!! (2017年12月31日 1時) (レス) id: 296f9ab165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 x他1人 | 作成日時：2017年11月13日 18時
