楽しい夕飯 ページ38
「…シチュー、口に合ったかな？」
「クソ不味い」
空になった爆豪くんの前にあるお皿を見てクスリと笑うと、私のと一緒にキッチンは持って言った。
一杯お代わりしていったあたりシチューは案外気に入ってくれたらしい。
笑う私を爆豪くんは不機嫌そうに見ている。
「……私はね、爆豪くんの事大切なお友達だって思ってるよ」
「…あ？」
「ま、私の片思いだろうけど」
爆豪くんはいつもと変わらぬ表情で私をみていて、それはどこか怠そうでありながらも話をしっかりと聞いてくれていた。
どうしてだかわからないけれど、爆豪くんの前だと本当に安心して気が緩んでしまう。
この感情はいったいなんと言うのだろう。
「…だから…私がみんなといられなくなる前にさ、全部話すから。待っててくれないかな」
みんなといられなくなる前に、と言うのはポロリと口から零れ落ちてしまったもので。
爆豪くんはその言葉のせいか少し目を見開いて私を見ると、大きく目を逸らした。
「…………勝手にしろや」
椅子に掛けていた上着を羽織る爆豪くんを見て、少し寂しくなった。
誰かと一緒に夜ご飯食べたのなんて数年ぶりで嬉しかったのだ。
その分今は寂しい。
けれどわがままも言っていられない。
「……また、食べに来てね」
ポソリといった言葉は聞こえていたかわからない。
でも迷惑がられそうで、こんな弱々しい声なんて聞かれていない方がいい、とも考えた。
上着を着た爆豪くんを玄関まで送ると、扉に手を掛けた爆豪くんが振り向いた。
「………次は激辛な」
そう言って扉を開けた爆豪くんに放心しそうになった。
扉が閉まる前に慌てて「わかった！」と声が届くように言うと、ガチャリと扉が閉まる。
しばらくそこから動けなくて、変な動悸と嬉しさで心が温かくなった。
「……激辛麻婆豆腐…作ろ」
夜ご飯がこんなに楽しみで楽しいものなのだと思ったのは本当に数年ぶりで、嬉しくてたまらなかった。
きっと爆豪くんは次も「不味い」と言いながらお代わりしていくんだろうな…。
そんな明るい気持ちのままお風呂へ向かった。
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クーニャン(プロフ) - えーと、見失ったので、また見つけたら、連絡します。 (2018年10月13日 20時) (
レス) id: 5eb4794cf2 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - クーニャンさん» この度はお話を読んでいただきありがとうございます！寿命は16歳までの数ヶ月と言うのが正しいです！間違ってしまっている回がわかるのでしたらご報告いただければ修正してまいります！混乱させてしまって本当にごめんなさい！ (2018年10月12日 2時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
クーニャン(プロフ) - 初めまして、こんばんは。わからないところがあるので、質問です。ある回で16歳で死ぬ、残り数ヶ月。というのと、寿命が残り数年と書かれた回があります。どちらが正しいのでしょう？ (2018年10月11日 23時) (レス) id: 5eb4794cf2 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - tukihoさん» はい！頑張ります！！ (2017年12月31日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
tukiho(プロフ) - 山野 珠雨さん» 受験生頑張ってください!!努力は報われます!! (2017年12月31日 1時) (レス) id: 296f9ab165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 x他1人 | 作成日時：2017年11月13日 18時
