___ 本音 。 ページ36
『…廉がまた私の前に現れて、
私、廉の事嫌いなのに…
本当は心のどっかで安心したの…
まだ、廉が私を好きでいてくれて…
…まだ、私を必要としてくれる人がいて…
…嬉しかった…』
涙を拭い、
『…ありがと、廉…
気をつけて帰ってね…』
廉に言われた通り、笑顔で告げると
廉が私を力強く抱きしめた。
「そんなん…東京戻りたくなくなるやん…」
『…泣いたりしてごめん。
なんか私…ずるいよね…』
「何もずるくなんかない。
ずっと、一人で我慢して来たんやもん。
本音伝えてくれてありがとな」
体が離れると、廉は私に優しく微笑んだ。
「…あ、A。
好きの反対ってなんやと思う?」
『…え、えっと…嫌い…?』
「無関心。
嫌いって思ううちはまだそいつに思いがある。
本当に好きじゃない奴はどうでもええねん」
『…何が言いたいの?』
「…Aはずっと俺を嫌いって…
…せやけどそれは俺を考えてたっつう事。
俺もまだ可能性があるって事や♪」
さっきの微笑みとは違い、
今度は意地悪な笑みを浮かべたから…
『…ほんと、ポジティブブラック廉だね(笑)』
私も、いつも通りの私として笑えた。
「なあ、今俺の事どれくらい嫌い?(笑)」
『ん〜90%くらいかな?
色々昨日から助けてくれてるから
ちょっと昇格した(笑)』
「なんやねん、その上から(笑)
正直に廉が好きって言えばええのに(笑)」
『は?調子乗らないで〜(笑)』
…本当に、廉が嫌いだった。
でもね、本当は分かってた。
廉を思っていた事。
廉の言う通り…
廉の事を考えていたから
私は廉に嫌いという感情を持っていた。
好きでは無くなって、
嫌いになったただけで…
完全に廉がどうでもよくなった事なんて
無かったんだ…
都合いいな、私。
でもこの瞬間ハッキリと、
廉を失いたくないと思ってしまったんだ。
「じゃあ俺、今度こそ行くわ」
『うん。気をつけて帰ってね』
廉が部屋から出て行って、
私はまた、涙が止まらなかった。
廉…
…廉…
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愛美(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます( ;_; )更新頑張ります!! (2018年3月4日 19時) (レス) id: 4987126d8b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 大量更新まってます (2018年3月3日 11時) (レス) id: e867817dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年1月16日 20時