匂恋。３ (ページ25)

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___ 廉。ページ25

廉side

「…なんで？なんでそんな…
…Aちゃんはアイドルの紫耀を
好きちゃうやろ？
…紫耀、最低やん…」

２人が別れた事。

Aが、フリーになった事。

…俺にもチャンスができた事…

…何にも、嬉しくなかった。

ただ、Aが心配…

「…今、すごい後悔してる…」

「そんなん、紫耀自己中や。
…Aちゃんはもっと弱くて…
…せやけど紫耀が好きだから…
…紫耀がおるから、強くいられたんやないの？
その紫耀がそんな事して…」

「廉に何が分かるんだよ!!
分かってるよ。
全部俺が悪いって。
せやけどあの時の俺はどうする事も
できなかったんや!!
…Aが好きすぎて…
…初めてこんなにも好きな人だからこそ…」

紫耀の苦しみ、紫耀が抱えていた葛藤…

…全部を否定するわけではない。

だけど俺は…
…Aを好きな俺は、
やっぱりAの気持ちを優先してしまう。

「…紫耀が悪いのに、さっきよく
“お前らできてる？”なんて言えたな。
Aちゃんが、紫耀以外選ぶわけないやん」

「…せやけど廉は？
廉はAが好きなんやろ？」

「…今の紫耀に言う必要ある？」

紫耀は何も言わず、ただ俯いていた。

俺が、今すぐにでもAの隣で
Aを支えたい。

…Aは…？

…Aやって、紫耀と別れたくなかった。

いくら、大好きな紫耀にそんな事されても…
Aはきっと、紫耀を忘れておらん。

…紫耀が好きなままや…

…それなら俺は…

「…なあ、もう修復不可能なん？
Aちゃんきっとまだ…」

「もう、無理だよ…
…俺とおっても、Aが辛いだけや…」

「そんなん分からんやん!!
Aちゃんやって今でも
紫耀と一緒にいたいんやないの？」