匂恋。３ (ページ3)

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___ 飲み。ページ3

あれからまた時は流れ…
相変わらず、紫耀は忙しそう。

だけど、“映画の撮影だから”
…そう、自分の気持ちに蓋をしていた。

「久しぶり～」

『本当、佐江と会うの久しぶりだね』

今日は久しぶりの佐江と飲み。

なんか…前からすごい可愛かったけど、
更に可愛さが増している。

「最近A、うちの店来てくれないんだもん」

『…なんか。忙しくて…』

本当は、紫耀の好きな服装じゃないから
最近行ってなかったんだった。

…佐江に、相談したい。

寂しさを吐き出して、少しでも発散したい。

だけど…

友達にも言えない、私の秘密の彼氏。

紫耀と付き合えてる事は凄い事なんだから、
…私は、そんな贅沢言ってはいけないんだ。

『…てか今日の佐江、すごい私の好きな匂い』

「…あ、今までいた人の匂い
移ったのかな？(笑)」

甘くて…
…なんだか、紫耀を思い出す。

誰といても何をしてても…
佐江といて楽しくても…
私の頭の中は、やっぱり紫耀だけだ…

でも、今だけは紫耀を忘れたかったから
お酒に頼って、私は自分のペースを無視して
たくさん飲んだ。

久しぶりに飲みに出た事もあって
思ってたより、酔いが回った。

「…A、大丈夫？」

『だいじょーぶ、だいじょーぶ♪
二軒目…』

そこから、記憶がない。

目を覚ますと、見慣れた天井。

…やばい、私…

身体を起こしたはいいものの、
吐き気が襲い、もう一度横になる。

…私なんでここにいるんだろう？

…佐江は？

必死で思い出そうとするも、
全然記憶が蘇らない。

…完璧に、飲み過ぎちゃった…

天井を見つめ、ただぼーっとしていると、
ドアの開く音がする。

『…佐江？』