匂恋。３ (ページ19)

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___ 再会。ページ19

「…２人、知り合いなん？」

「…知り合いってか…」

『店長、私帰りますね』

やだ。

せっかく忘れかけていたのに、
もう思い出したくない。

…関わりたくない。

「待って。
なあ、話がしたいんやけど」

そんな言葉も無視して帰ろうとすると、

「あ、Aちゃん」

店長に、止められた。

『…はい』

「俺、大吾に作りたいもんあってさ
せやけど材料買い行かなあかんから
少しだけ店番しててくれる？
いくら店閉めたとはいえ、ええかな？
大吾も、ついてきて」

きっと、店長の気遣い。

話したいなんて言われたのに、
私は明らかに動揺してて、
逃げるように帰ろうとしたから…

…気を使ってくれただろうけど…
私は嫌だよ…

「大吾と久しぶりに２人で買い物もしたいねん」

だけどそんなん言われたら断れない…

『わかりました…』

店長と大吾くんがお店を出て行き、
私達は２人になった。

「…久しぶり」

『話って、なに？』

『A、変わらんな～(笑)
相変わらず俺が嫌いなん？(笑)」

何も答えずにいると、私の隣に座った、廉。

「なぁ、なんで大阪にいんの？」

『廉に関係ないじゃん』

「…電話もラインも繋がらんし何があったん？」

紫耀の形跡を消したくて、
大阪に越すと同時に携帯を変えた。

だけど…

『だから、廉には関係ないって!!』

私が強くそう告げると、
廉は優しく、でも力強く…
私の手を握った。

『ちょっとなに？離して』

「やっと、俺の方見た。
…やっと、Aに会えた…」

優しく微笑む廉を見たら、涙が零れた。