匂恋。３ (ページ16)

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___ 突然の。ページ16

「Aちゃんあのね…」

今日も仕事に行くと、険しい表情の店長。

『…なんか、あったんですか？』

「…お店、閉めようと思ってる…」

『…え？』

思ってもなかった言葉。

「…店長の俺が弱いのは申し訳ないけど、
今まだ人気のお店でいれる時に店を閉めたい。
…人気が落ちてからだと、精神的にキツイ…」

『…どういう、意味ですか？』

「最近さ、インスタ映えとかで
色んなお店が出来てきていて、
そのせいか実際前に比べて少しずつ
売上が落ちてきてるんだ…
人気が無くなって、
“ああもうこの店ダメだね”って思われる前に、
“このお店好きだったんだけどな～”って
良く思われたまま終わらせたいんだ。
その方が、俺も快く次に進める」

店長の言ってる事が分かる。

…私も、紫耀とそうすればよかった…

気づいてたじゃない。

連絡が少なくなってきた頃から…

辛い真実を知る前に、
お互いちゃんと気持ちが向いていて、
お互いが大好きなまま離れた方が
今こんなに苦しまずに済んでいたよね…

すがるって、その後が残酷なんだ…

『店長の意見、賛成しますよ』

「…こんな自己中な店長でごめんな？」

『…全然!!
ここは、店長のお店なんですから』

…と言ったはいいものの、
私、職失うんだよね？

これから、どうしよう…