匂恋。３ (ページ11)

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___ 真実。ページ11

ここまで聞いてしまったからには、
もう全てを知りたい。

もう、これ以上のどん底はないから…

「…なんで、少年収の前に会った事知ってん？」

『…紫耀、ばかだね。
Jr.にQの時、…キスマ、見えてたんだよ？
ツイッターですごい騒ぎになってて…
それで私、なんとなく勘付いちゃって…
…佐江、自分のツイッターで匂わせてるよ？
それはまだファンには出回ってないけど…』

紫耀はただ驚いていて、
ずっと、“ごめん”と謝り続けた。

「Aと佐江ちゃんが飲み行った日は、
ほんまは佐江ちゃんから連絡が来てな。
“友達が酔い潰れちゃったから迎えきて”って…
で、俺が向かったら…Aやったんや…
佐江ちゃんも、Aと俺が
付き合ってる事知らんかったし…
…俺も、Aと佐江ちゃんが友達なの
知らんかったから…」

…ああ、なんかもう…だめだ。

泣いたのと、色んな感情が交差して…
疲れちゃった…

『…紫耀、私、紫耀と距離を置きたい…』

「…なんで？
そんなの嫌だ。
俺はほんまに…」

『ごめん。
それでも…』

あの日、私から連絡したという事、
紫耀が来た時、佐江はもういなかったという事…
…全部、嘘だったんだもん…

苦しい…

…今、紫耀といたら辛い…

「…Aやって…」

『…え？』

「…俺、忙しさを埋める為に
遊んでただけやないで？
…Aやって、嘘ついたやろ？」

『…嘘？嘘って、私がいつ…？』

全く見当がつかないでいると、
紫耀は真剣な眼差しで、私に問いかけた。

「…廉と、まだ繋がってんやろ？
会った事もあるんやろ？」

…あ、そうだ…

忘れるなんて、私最低だ。

『…ごめん、そうだった。
私も、紫耀に嘘ついてたよね…』

「廉に取られてしまいそうで、
…廉を越えられる自信が無くて…
正直それもあって
Aから逃げとった部分もある…」

『…待って。
私確かに廉の事で嘘ついた。
だけど私、これっぽっちも
廉なんて好きじゃない。
もう廉とは連絡すらしてないし
個人的に会ったのは一回だけだし…
…廉に気持ちなんてないもん!!』

「俺やって、他の女に気持ちないよ」

『…私と紫耀のした事、一緒にしないで!!』

お互い嘘をついた事に変わりはない。

どっちの方が悪いなんて言い争っても無駄。