となりのさとうくん。2 (ページ16)

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「あっ…ちょっと！これって…」

「さ、行こ？」

勝利くんはニコニコしながら私の手を引き教室に向かう。

勝利くんはいつも何考えてるかわからない時が
多いけど、
健人くんが来てから独占欲を示してくれるのが
何故かたまらなくうれしかった。

「今日の日直誰？」

「はい、私です。」

「お、じゃあ準備室までノート集めて持ってきて」

英語の先生からそう言われ、
私は昼休みに全員分のノートを持って
準備室まで向かった。

勝利くんに手伝おうか？と言われたけど
私は横に首をふった。

勝利くん、教室で待ってるから急ごうっと。

こんこんっ

「失礼しまー…」

誰もいないのか。

さっさとノートを机において振り向いた瞬間
準備室のドアが開いた。

「あっ！健人くん！」

「え？何してんの？」

「日直だったから持ってきたけど先生いなかったー」

「あー、先生ならさっきお昼食べに出て行かれたからしばらく戻ってこないよ」

健人くんが少しだけ口角を上げたように見えた。

「佐藤くんとさ、喧嘩とかしないの？」

「えっ、うーん、どうだろ。
喧嘩っていう喧嘩はしたことないかも」

「そうなんだ、仲良いんだねぇ」

健人くんはそう言いながら私にグッと近づいてきた。

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