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時計の針を見れば、あと1時間弱で終電も無くなる時間
いくら誕生日のお祝いだからって、明日も仕事なのはみんな同じだ
俺の目線に気づいたのか、みんなも一斉に時計を見た
さっきまであった浮かれたムードが、一瞬でがらりと変わる
何となく切ないし寂しいけど、でも悲しくはない
みんなが残念だなって顔してるのが、正直嬉しくて仕方がないんだ
「うっし、じゃあ最後はこれだな！」
そう言って立ち上がった松潤は、冷蔵庫を開けて何かを取り出した
いえーい！なんて言ってる3人の声を聞きながら、それが何なのか、ようやくわかった
「これがないと締まんないでしょ！」
一目でそれとわかる、特徴的な箱
取っ手が付いていて、てっぺんから中が覗ける
「ケーキ！」
ケーキが出されてこんなワクワクしてるの、いつ振りだろう・・・！
乾杯し直さないとなって、グラスに新しくお酒が注がれる
その光景を見ながら、お酒の力も加わって泣きそうになっている俺
すると、急に視界が真っ暗になった
「へっ！？」
「まあまあ、ちょーっとだけ我慢な」
後ろから聞こえてきた声で、翔ちゃんの手が俺の目を隠したんだって気づいた
がさごそ、って音がして、どうやらケーキを出しているらしい
「ねえ、まだあ？」
「もーちょい・・・よし、オーケー」
ぱっ！と手が離されて、眩しさに目がちかちかした
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作者名：しゅり
| 作成日時：2015年12月24日 16時
