大学3年生・春 ページ39
宇津橋の表情の理由を、ついに知ることができた。しかし宇津橋曰く、私は死んでしまうらしい。
「お前のこと、また殺してしまうな。」
ロッカールームから出て、二人で意味もなく歩きながら、宇津橋は自嘲する。
まだ全然、頭の中は整理できていない。
宇津橋は、三度目の大学生活をおくっているらしい。そして過去に二度、私と出会い、二度、付き合うことになって。二度、私は死んだ、と。
私は宇津橋が好きだ。
それで、宇津橋も私のことが好きだった。ずっと前から。私と出会う前から？
それって、すごいことじゃないの。
「お前が、また僕を置いて死んでいくのが嫌やねん。だから冷たくあたったのに」
「そんなに冷たくなかったよ、私のこと嫌いじゃないって感じした」
「……しゃーないやろ、それは」
私は混乱しつつも、嬉しさが勝っている。
宇津橋は三度目も私が好きで、私も三度も宇津橋を好きになった。
宇津橋に手を引かれて、そのまま腕の中に閉じ込められる。宇津橋の匂いがした。懐かしい、と感じたような気がしたのは、今の話を聞いたからだろうか。
「宇津橋、好きだよ」
「あほ」
「なんで」
「言うたらあかん、俺の話聞いとったんやろ。二度あることは三度あるっていうやん。お前は俺と付き合ったら死ぬんやって。信じられへんやろな、けど、嘘やない！」
ちゃんと聞いていた。理解はできたとは言えないけれど、大体のことは把握できたつもりだ。それに、信じていない訳でもない。
「すごいよね。私、今までのこと知らないのに、また宇津橋のことを好きになった」
宇津橋が息を飲んだ。私は続ける。
「多分、私が死んじゃったとしても、次もまた宇津橋を好きになるんじゃないの？……それに、」
宇津橋の目を覗き込む。涙でいっぱいの目。色々な感情が渦巻いている目。その涙を拭った。
「三度目の正直、って言葉、知らないの？」
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千白は山に住む(プロフ) - 凡人さん» ありがとうございます！私もお気に入りで、昔かいたものなのについ番外編を書いてしまいます！そう言っていだだけるのならここに更新しに来てよかったー！と思えます！ありがとうございました！ (2020年6月20日 9時) (
レス) id: 392f79c1f8 (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - bhさん» 長らくお返事できていなくてすみません！ありがとうございますー！ (2020年6月20日 9時) (レス) id: 392f79c1f8 (このIDを非表示/違反報告)
凡人(プロフ) - 更新されていてびっくりしました。私が本当に大好きなお話です...ありがとうございます！ (2020年6月5日 18時) (レス) id: 0a526fe040 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです、これからも応援しております。 (2020年3月15日 0時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - 水澪恋さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました！あげて落とす仕様でしたが楽しんでいただけていたら本望です！ありがとうございます、今後もがんばります(*^^*) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f80b5e4d2a (このIDを非表示/違反報告)
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