Sugar Love【3】 (ページ11)

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「紫耀、廉。交代していーよ。」

紫「おっサンキュ。」

廉「ほな行ってくるわ。」

10分間の休憩の交代時間、調理場担当の

交代になった瞬間。

列に並んでた女子のガッカリした声が耳に入る。

「ったくよー。なんで俺達だと落ちんだよ。」

「意味分かんねーし。」

私の横でブツブツ小声で文句を言うクラスの男子。

なんてフォローかけてあげればいいのか分からず、

苦い笑みだけを浮かべた。

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あ「いらっしゃいませ。お会計300円になります。」

お金を受け取ろうとして、相手の顔をふと見る。

陽「久しぶり。Aちゃん。」

あ「茄橋さん…」

顔にただ貼り付けただけのような満面笑みを

私に向けて、

陽「紫耀くんは？」

目的の紫耀の居場所を訊ねられた。

あ「紫耀は今ー…っ！？」

だから、素直に教えてあげようとしたのに。

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最後まで喋る前に、いきなりペットボトルの水を

陽「あ、ごめんなさーい。

手が滑っちゃったー。」

頭の上からかけられた。

周りの視線とザワついた空気。

そして、茄橋さんの冷たい眼差し。

クラスのみんなで考えてデザインした、

オリジナルTシャツに水が染み渡っていく。

一瞬、何が起こったのか思考が追いつくのに

時間がかかった。

…私水かけられたんだ。

茄「Aちゃん。あまり調子に乗らないでね。

あたし、紫耀くんのためなら容赦しないから。」

私を軽蔑したような視線を向けたあと、

またニコリと貼り付けた笑顔を見せる。

あ「…。」

なにも言い返せなかった。

…ううん。

言い返せなかったんじゃなくて

声に出すことが出来なかったって言った方が

正しいのかもしれない。

軽蔑したような目と

これ以上ない冷たい声の茄橋さんのことが

正直、怖かった。

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