オタクの裏側（青） (ページ40)

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インターホンを押した後すぐに、今行くから待ってて！と翔太くんの声が聞こえてきた。
返事が早かったので、待っててくれたんだぁと嬉しくなる。
インターホンから返事が聞こえてから、すぐに鍵が開かれた音がした。

「いらっしゃい。」

『お待たせしてしまってすみません！』

「全然。お仕事お疲れ様！」

翔太くんの方が忙しくて疲れているだろうに、キラキラの笑顔で労ってくれている。
それだけで今日の疲れが全て無くなっていくみたい。浄化された。

玄関で話し込んでいたら危険なので、翔太くんのお家にお邪魔させてもらう。
相変わらず綺麗なお家。

今日は翔太くんに手料理を振る舞う約束をしていたので、とりあえず手を洗う。
キッチンをお借りすることを翔太くんに伝え、ご飯の準備を始める。
食材は翔太くんが揃えておくよ、と言ってくれたのでお言葉に甘えた。
冷蔵庫の中を見てみると、お願いした食材がちゃんと入っている。ありがたい。

そして前回お邪魔したときには無かった調味料まで用意されていて、翔太くんの完璧な準備に感謝する。
調味料を使用するために封を開けようとしたら既に開いていた。
おかしいな、と思いよく見ると中身が少し減っている。
…翔太くんは料理を作らないはずだから、ほぼ確実にあの女の人が関係している。
またあの光景を思い出して落ち込んだ。

キッチンをお借りし、料理を作り始める。
翔太くんがリビングからキラキラした目でこちらを見ている。
5歳児翔太くん、かわいい。
落ち込んでいることがバレないように、そう思いながら料理を作り続ける。

私が料理を作っている間、翔太くんは飽きもせずずっとこちらを見ていた。
見ていて楽しいのかな？と思い翔太くんに聞いてみると、楽しい！と返事が来た。
…楽しいなら良かったけど、ずっと見られていると緊張しちゃうんだよなぁ。

30分程で料理が完成したので器に盛り付けテーブルの準備をする。
準備が終了すると、翔太くんからありがとう！と声をかけて貰えた。
その言葉と翔太くんの嬉しそうな顔が見られるだけで嬉しい。こちらこそありがとう。

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