オタクの裏側（青） (ページ28)

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集合時間まで余裕があったので、翔太くんのお家で作る予定の料理の下ごしらえをする。
翔太くんは料理をするイメージがないので、調理器具も調味料もお家に置いてなさそう。
なので自分の家でできる準備はやっておきたい。

下ごしらえが全て終了したので、タッパーに食材を詰めていく。
そしてタッパーをエコバッグに詰めて、翔太くんのお家に行く準備は全て終了した。

翔太くんがお迎えに来る前に最終確認する。
身だしなみは整っているか、持ち物はオタクがバレないような物かどうか確認する。
タッパーを詰めたエコバッグもシンプルな物を選んだから大丈夫。
普段だったらツアーグッズのバッグを使用すると思うけど、今日は我慢する。

渡辺翔太これから向かうね!

最終確認が終了した頃、翔太くんから連絡が来た。
本当に翔太くんのお家に行くんだ…！
今更実感する。緊張してきた。

渡辺翔太家の前に着いたよ〜

翔太くんから連絡が来た。
ついに来てしまった。緊張するなぁ。
翔太くんを待たせる訳には行かないので、玄関横の姿見でもう１度身だしなみを確認する。

マンションの入口まで降りる。
目の前に見慣れない車が駐車されている。
その車のドアに凭れて携帯を見ている男の人。
…翔太くんだ。伏し目がちに携帯を見ているのが、めちゃくちゃかっこいい。

『お待たせしました！』

翔太くんに見とれていたけど、待たせてしまっているので声をかけた。
白Tにシンプルなジーパン、そしてYouTubeとかでよく見るサンダル。
シンプルな格好なのに、かっこいい。
かっこいいしか感想が出てこない。語彙力どこに行っちゃった？

「全然待ってないよ。行こうか。」

翔太くんはそう言いながら微笑んでいる。
そして助手席のドアを開けてくれた。
失礼します、と言いながら車に乗り込む。
その時翔太くんが車のドアと頭が当たりそうな上側に手を当て抑えてくれた。
…やることスマートすぎ。かっこいい。

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