オタクの裏側（青） (ページ19)

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美味しい焼き鳥をたくさん食べていたら、いつの間にか翔太くんと打ち解けられていた。
 最初は渡辺さんと呼んでいたけど、翔太くんって本人を前にして呼べる位になっていた。     

キラキラした目で焼き鳥を見つめ、美味しそうに頬張る姿を目の前で見られたことが幸せだった。
 そしてなによりも1番幸せだと思ったのは、目の前でうわっ！が見られたこと。 
美味しいものを食べたらそう言うのは普段から変わらないんだなぁ、とほっこりした。    

普段見ている翔太くんが生で、目の前で、こんな近くで見られたから、オタクがバレないように必死だった。 
オタクがバレてもいいと思われるかもしれないけど、私は嫌だった。 
ファンですって言って翔太くんに近づこうとしているみたい。それだけは嫌だった。

    でも翔太くんはファンですって言われたら嬉しいだろうなぁ。 
今以上に優しくしてくれそう。イメージだけど。
 そう思ってファンですって何回も言いそうになったけど、ギリギリ堪えた。
 理性が機能してくれて良かったぁ。       

『お肌とっても綺麗ですよね！普段スキンケアって何使ってますか？』

    打ち解けてきたので、ちゃっかり使用しているスキンケアを聞く。
 帰ったら速攻同じもの全部買う。オタク発動。 
最新の翔太くんが使用しているアイテムが欲しい。

    「ありがとう。美容が趣味なんだよね。使っているのはね…」    

お肌をほめてもらえて嬉しそうに翔太くんが応えてくれた。 
普段使用しているアイテムから、たまにポイントで使用しているアイテムまで教えてくれた。 
出てくる名前が有名なブランドのものばかり。
 …さすが有名人だ。頑張って揃えよう。

    私が嬉しそうに話を聞いているのが翔太くんの気分を良くしてくれたのか、その後通っているクリニックの話までしてくれた。 
その綺麗なお肌の作り方、丁寧に教えてくれてありがとう。    
翔太くんのことならなんでも知っていたいから、教えてもらえて嬉しい。
帰ったら頑張ろう、と気合を入れながら翔太くんの話を聞く。

 ニコニコしながら話している翔太くんはとても楽しそう。 めちゃくちゃ可愛いなぁ。 
…ニヤニヤしているのバレないようにしないと。 

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