オタクの裏側（青） (ページ18)

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内心へこみながら翔太くんの向かいの席に座る。
 私が席に着くと翔太くんがメニューを渡してくれた。
 メニューを受け取る手が震える。 
手が震えていることがバレたくなくて、メニューをサッと受け取った。 
翔太くんが笑っている。また変なやつって思われたかも。    

とりあえず飲み物とご飯を注文する。 
翔太くんはビール。 私はかわいいカクテル。カルーアミルク。 
確か翔太くんはあんまりお酒に強くないはず、私もお酒は得意じゃない。 
共通点出来た。心の中で小躍り。    

お酒がすぐに来たので乾杯。 推しと乾杯。
一生ないことだと思ってた。 
今日が最初で最後だと思いながら、この瞬間を噛み締める。    

「焼き鳥好きなの？」    

乾杯してお酒をしみじみしながら飲んでいたら、翔太くんから話しかけられた。
 私から話題振らなくてごめんなさい。浮かれてました。    

『好きです！少しずつ美味しいものをいただけるのが好きです。』    

「そうなんだ。俺も焼き鳥好きなんだよねぇ。」

    …知ってます。だから今日選びました。 
嬉しそうにつくねを頬張りながら翔太くんが笑って応えてくれた。 
印象悪くなるかな、と心配しながら焼き鳥を選んだので、ちょっとだけ後悔していた。 
だけど嬉しそうな翔太くんを見られたから良いかなって思える。    

5歳児みたいに焼き鳥をどんどん食べていく姿を、目の前で見られるだけで幸せです。ありがとうございます。 
翔太くんを見つめながらお酒を飲む。
 …最高の時間だなぁ。

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