. ページ21
_
「本当によくお似合いで……もう言葉が出ないくらいお美しいです」
『とんでもないです…綺麗に着付けしてくださってありがとうございます』
結婚式当日。メイクやヘアセットを終えてドレスを着付けてもらい、控え室でスタッフの方と少しおしゃべり。話していないと緊張でどうにかなってしまいそう、というのが正しい気もするけど。
「普段からお仕事でメイクされたりこういったドレスを着られたりすると思いますけれど、ウェディングドレスはまた違いますか？」
『そうですね…全然違うなと思いますし、グループのメンバーたちや家族はどんなドレスか知ってるんですけど、主人にはまだ見せていないのでどんな反応されるか…緊張します』
「きっととてもお喜びになられますよ！」
そんな会話をしながら、翔平さんの方も準備が整ったということで控室から移動する。
お互い仕事で一緒にゆっくり衣装を選びにいけなかったということもあるけど、2人とも別で選びに行って今日の挙式前にファーストミートという形で見せ合うことにした。私は家族やメンバーが一緒に、翔平さんの方もご家族や一平さんが一緒に選びに行き、私たちは今からチャペルで初対面だ。
「心のご準備はよろしいでしょうか」
『……はい、できました』
そう返事すると��おふたりの素敵な思い出になりますように��と笑顔で声をかけてくださるから深呼吸して頷き、扉が開けられる。壇場の手前に、こちらに背を向けて立っている翔平さんが見える。気持ちが昂ってもうこの時点で泣きそうだけど、せっかくのお化粧が落ちてしまったら台無しだから必死に堪える。
歩を進め、翔平さんまであと一歩というところでもう一度深呼吸。手を伸ばして翔平さんの肩を叩く。
「…………A」
目が合うと、翔平さんはふふっと唇の両端をあげたかと思えば、私の名前を嗚咽混じりに呟いて目頭を押さえてうつむく。昨日の夜、翔平さんが泣いたら私も泣いてしまうから堪えてねと伝えた時に��泣くわけないでしょ。そんな涙脆くないもん��と自信満々に笑っていた人はどこに行っちゃったのか。
『……翔平さん、泣かないって言ってたのに』
「…泣いてないから」
またいつもみたいに意地っ張りなのも全部愛おしい。ドレスを着ているからと控えめに腰に回してくれる手に引き寄せられて、私も翔平さんの背に手を回す。
「…ドレス、似合ってる。いつもに増してほんと綺麗」
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エミ(プロフ) - 手でほっぺた挟まれてキスされるのキュン死にました (9月11日 0時) (
レス) @page43 id: cee5b6d7a7 (このIDを非表示/違反報告)
ももし(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編が楽しみです！ (8月19日 22時) (レス) @page50 id: bc4ae7623d (このIDを非表示/違反報告)
亜澤 - 大谷の占ツクがまだ少なくて貴重だった頃にここに辿り着き、いつも楽しく読ませていただきました。物語はもちろんWEBニュースが妙にリアルで凄く好きでした！完結おめでとうございます。もし書かれるならばいつか短編や高校生の大谷も見てみたいです。 (7月7日 16時) (レス) id: 988238442f (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - 完結してしまい寂しいです。続編読みたいです (7月6日 19時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
ソ - 完結おめでとうございます☻ 大谷翔平先取 × K-POPアイドルの組み合わせが自分的にとても好きでとても楽しく読ませていただきました！！今後、短編等の更新があった際にはまた楽しく読ませてもらいたいと思います。ありがとございました！ (7月6日 1時) (レス) @page50 id: 79a52f538e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：dreaming | 作成日時：2023年3月23日 21時
