ヴァンパイアと少女の残酷で、暖かい昔話…【蒼井翔太】

第52話　★　のどかな日常・・・。　【過去】 ページ7

それから、なぜか俺は協会のやつに受け入れられていた。

賢章との友情はいまでも続いてる。Aとも楽しく毎日過ごしている。

翔太「…のどかだなぁ…。」

貴「うん。そうだね。」

いまはAと家でゆっくりしている。

…そういえば、賢章が会いたいって言っていたな。なんだろう？

…もう賢章とのいざこざから一年…。つまり、賢章の結婚式から一年だ。

翔太「…賢章に呼ばれたから俺、行ってくるわ。」

貴「うん。行ってらっしゃい。」

俺は軽くAのおでこにキスをした。

貴「…もう。」

照れくさそうに笑うAに今度は唇にキスをし家を出た。

翔太「…。」

庭を抜け、街に出ると、俺と賢章が毎回会う公園に行った。

賢章「あ！しょーたん！」

翔太「！賢章…。」

公園で待っていた賢章の腕の中には、一人の赤ん坊がいた。

翔太「賢章、その子は…。」

賢章「俺の息子だよ。名前は空。しょーたんに会わせておきたくて。」

翔太「…そうか。」

賢章「…しょーたんは子供とか…」

翔太「おれは、子供を作れない…。」

賢章「あ、ごめん、」

賢章はなぜか悲しそうに目を伏せた。

翔太「おまえが悲しむことはない。それに、俺は今のAとの生活で満足してるんだ。」

賢章「…そっか。…ねぇ、しょーたん、抱っこ、してみない？」

翔太「え…？」

賢章が赤ん坊を俺の腕に乗せた。

翔太「ちょッ…！」

賢章「大丈夫だから。」

翔太「…。う、ん。」

俺は、安心しきって眠っている空を見ながら微笑んだ。

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