ヴァンパイアと少女の残酷で、暖かい昔話…【蒼井翔太】

第79話　★　もう、終わりにしよう。　【過去】 ページ33

翔太「…。」

貴「…。」

どれくらい経っただろうか？一日、いや、一週間、それとも…一か月？一年？？

もう、わからなくなってきた…。俺は何で、Aはなんだった？

どうして二人は出会った？何が原因で二人は出会った？俺は何でAといるんだっけ？なんで俺はこんなところにいるんだ？何で？なんで？ナンデ…？

俺は、なんでこんなに悲しいんだろうか…？Aといるのに、どうして孤独に感じるんだろうか…。

…外が騒がしい…。

人の悲鳴…。

銃声…。

死んでいく人の悲痛の声…。

人の罵声…。

国のためだと、死んで来いという親。悲しまない声…。

どうして、こんな風になったんだろう…。

優しい心って何…？前、であった人たちは…俺のこと、受け入れてくれたのに…。

前であった人…？誰だっけ？

翔太「怖い…。」

何が怖い…？

この世から消えるのが怖い？

いや違う…。

Aを見るのが怖い…。

貴「…翔太。」

翔太「…A…。」

貴「…どうして、こんなことになったんだろうね。」

翔太「…わからない。」

貴「やっぱり、ひとは変わるんだね。」

翔太「そうだな…。」

Aが俺から離れていくのが怖い…。

Aのことを忘れるのが怖い…。

貴「…。終わりたい…。」

翔太「…俺も…。」

今、外に出たら死ねるのかな…。

翔太「…。」

前の焼けただれた腕…。

もう結構な日がたつのに…瘡蓋一つできていない。ずっと血で包帯がしみている。

傷がふさがらない…。つまりそれは今ここに兵士がきて撃たれたら俺たちは即死ということ…。

俺も終わりたい…

Aも終わりたい…。だったら…



翔太「…なぁ、A…。







…外に、出ようか。」

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