ヴァンパイアと少女の昔話…【蒼井翔太】

第20話 ★間に合わない…！ 【過去】 ページ23

それから街へ出たものの、Aははしゃぎまくりで、俺はヘトヘトになっていた。

貴｢あ、この服可愛い！｣

翔太｢はいはい…。買ってやるから少しは落ち着け。｣

貴｢いいの！？ありがとう！｣

俺たちは順調に買い物を進めて言った。

16時半を回った時のこと…、Aがいなくなってしまった。

翔太｢ったく！どこに行ったんだ！｣

しばらく街を走り回っていると、脳内にAの声が聞こえてきた。


ｰｰｰｰ助けてｰｰｰｰ


翔太｢！？…助けて…？A…。どこにいるんだよ！？｣


ｰｰｰｰ男の人ｰｰｰｰ


男…？


ｰｰｰｰ黒い高級車ｰｰｰｰ


どんどん途切れ途切れになっていく…。


翔太｢…誘拐…か。｣

早くAを見つけないと…！
男で、黒い高級車…。

翔太｢いっぱいあるじゃないか！｣

街を回ると、同じような車が何台もあった。


ｰｰｰｰ早く、見つけて…。ｰｰｰｰ


翔太｢あーもう！…あれ、Aの声が近くに感じる…。｣


ｰｰｰｰ翔太ｰｰｰｰ

翔太｢こっちか！｣

声がどんどん大きくなっていく方に走って行った。

翔太｢！…見つけた！｣

ほかのと比べると怪しい車があった。

俺はその車の窓の中を見ててAがいることを確認した。

男｢なんだテメー？人の車をこそこそこそこそ覗きやがったさて！｣

翔太｢…あんた、この車の持ち主？｣

男｢ふんっ！それがなんだ？｣

翔太｢…あの女の子、俺の連れなんだけど、なんでおっさんの車に乗ってんの？｣

男｢ｯ…！｣

翔太｢しかも、なんで、目隠しして、口をガムテープで固定してロープで手を縛ってんの？…まさか、誘拐でもしようとした？｣

男｢ほう…？あの子の連れか。なら、君も一緒に乗ってもらおうか。｣

あーあ、嫌なとこで時間をとった。17時まであと…。


翔太｢10、9、8、7、…｣

男｢なんのカウントダウンだ？｣

男は1人だけ…。なら、殺れる！

翔太｢5、4、3、2、1…０｣

俺は自我を失った。

翔太｢…。｣

俺の自我が戻ったのは、男が真っ青で倒れていて、周りの買い物をしていたヤツらの悲鳴で街が賑やかになっていた時だ。

とりあえず…。

翔太｢A、平気か？｣

貴｢うん。｣

車にいたAの体を不自由にしていたテープやロープなどをとり、外へ連れ出した、

街人｢ヴァンパイアだぁぁぁぁ！！みんな逃げろー！｣

その一言で周りはパニックになっていた。

貴｢…翔太。｣

翔太｢気にするな。お前は悪くない。よく頑張った。｣

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