ショータイム と エンドロール

ちょっと素直 ページ28

え？なに？


可愛すぎるんですけど。




ちょっとお酒が入ってるとはいえ、完全に酔っ払ってはないしちゃんと会話もできるし意識もあるのに。



｢なに、ほんま、いつもそんなこと言わないくせに(笑)｣



恥ずかしそうに目線を下げて、ごめんと謝るAちゃん。


いや、全然、いいんやけど。




｢だって、お酒入ってる時しか言えないじゃん、こんなこと、｣


｢お酒入ってなくても言ってくれてええのに(笑)｣


｢もういいよ1人で寝る｣


｢やっぱ俺も寝る(笑)｣


｢映画続き観なよ｣


｢拗ねんなって｣


｢……｣



背中を向けて勢いよく布団をかぶるとそのまま無反応なAちゃん。



あーほんとに拗ねちゃった。



ちょっとだけ頑張って素直になってくれたんだなぁって思うとニヤニヤが止まらない。



ほんとかわいいなぁ…。





布団の中に入って名前を呼んでみるけど反応がないので耳を軽く噛むとAちゃんが勢いよく振り返った。




｢っ、！｣


｢まだ起きてた(笑)｣


｢たくのせいで、目、覚めてきちゃったの｣


｢俺のせい？｣



クスクス笑うと不満そうな顔をする。



｢たくばっか、そうやって、｣




言って胸に顔を埋めてくる。


甘い香りと微かなお酒の匂いがする。




｢余裕ないのはこっちの方なんやけどなぁ(笑)｣



｢？｣



Aちゃんが顔を上げて


赤い顔とうるうるした瞳が見える。





ちょっとお酒の入ったAちゃんなら、と期待して寸止めしてみる。





｢ね、ちゅーしてい？｣



｢…っ、たく、それ、｣



｢なに？｣



｢…わざとでしょ｣



｢バレた？(笑)｣



｢…いじわる、しないでよ、｣



｢ちょっと素直なのもええなぁって思って(笑)｣



｢……うるさい、｣




そう言って俺のTシャツをぎゅって掴みながら一瞬唇を重ねた。






Aちゃんのこーいうとこ、ほんまずるいなぁ…

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